ヤリスの不人気カラーは後悔する？あえて選ぶ魅力とリセールへの影響

日本を代表するコンパクトカーの王道、トヨタ ヤリス。その燃費の良さやキビキビとした走りに魅力を感じ、購入を検討されている方も多いことでしょう。グレードやオプションを選び、いよいよボディカラーを決める段階になった時、その豊富でお洒落なカラーラインナップに、心が躍りますよね。しかし、その一方で、「この色、ちょっと派手かな？」「不人気色を選んで、後で後悔しないだろうか…」そんな不安が頭をよぎり、決断できずにいませんか？

そのお気持ち、非常によく分かります。特にヤリスには、「コーラルクリスタルシャイン」や「シアンメタリック」といった、個性的で美しいカラーが設定されています。「自分はこの色が好きだけど、周りからどう見られるだろう？」「数年後にクルマを売る時、査定額が安くなって損をするのは嫌だな…」。そう考えてしまうのは、決して不思議なことではありません。愛車選びは、大きな買い物だからこそ、あらゆる面で失敗したくないですもんね。

でも、ご安心ください。この記事では、一般的に「不人気」と言われがちなヤリスのボディカラーを具体的に挙げ、その理由を正直に解説します。同時に、白や黒といった「人気カラー」のランキングや、なぜそれらが選ばれるのかも明らかにします。あなたの色選びの悩みを、ここで一気に解消しましょう。

そして、この記事は単なる人気・不人気の紹介だけでは終わりません。不人気と言われるカラーが持つ、唯一無二の魅力や、あえて「その他大勢」から外れることで得られるメリット、そして最も気になるリセールバリューへのリアルな影響まで、あなたの背中を押すための情報を余すところなくお伝えします。この記事を読み終える頃には、あなたは他人の評価に惑わされることなく、自信を持って「本当に好きな色」を選べるようになっているはずです。

ヤリスの人気色と不人気色！その理由とリアルな評判

【2025年版】まずは押さえておきたい！ヤリスのボディカラー人気ランキングTOP5

不人気色を語る前に、まずは大多数の人が選んでいる「人気色」を知っておくことが重要です。世の中のトレンドや、多くの人が「良い」と感じる色の傾向を把握することで、ご自身の好みを客観的に見つめ直すことができます。ここでは、最新の販売データや中古車市場の動向を基にした、トヨタヤリスの人気カラーランキングをご紹介します。

第1位：プラチナホワイトパールマイカ
やはり不動の1位は、有償オプションカラーである「プラチナホワイトパールマイカ」です。清潔感と高級感を両立したパールホワイトは、車種や性別、年齢を問わず、常に絶大な人気を誇ります。光の当たり方でキラキラと輝き、ヤリスの抑揚あるデザインを美しく見せてくれます。リセールバリューも最も高く、迷ったらこれを選んでおけば間違いない、という安心感が人気の秘密です。

第2位：ブラック
ホワイトと人気を二分するのが、定番の「ブラック」です。車体全体が引き締まって見え、コンパクトなヤリスに精悍でスポーティな印象を与えます。特に男性からの支持が厚く、カスタムのベース車両としても人気があります。ただし、傷や汚れが目立ちやすいというデメリットもあります。

第3位：シルバーメタリック
「汚れが目立たない」「洗車が楽」という実用面で、根強い人気を誇るのが「シルバーメタリック」です。派手さはありませんが、飽きが来ず、ビジネスシーンでもプライベートでも使える万能さが魅力。リセールも安定しています。

第4位：スーパーホワイトII
こちらは無償で選べる標準のホワイトです。パールホワイトのような華やかさはありませんが、クリーンでソリッドな印象が魅力。商用車にも使われる色ですが、そのシンプルさが逆にお洒落だと感じる人もいます。

第5位：センシュアルレッドマイカ
定番色以外で唯一ランクインしたのが、深みのある「センシュアルレッドマイカ」です。鮮やかな赤ではなく、落ち着いた大人の赤色で、ヤリスのデザインを情熱的かつエレガントに見せてくれます。

このように、人気色は「無難であること」「高級感があること」「リセールで有利であること」といった、非常に分かりやすい理由で選ばれています。しかし、本当にこれらの色が、あなたにとってベストな選択なのでしょうか。人気があるからという理由だけで選んでしまうと、「本当はあの色が良かったな」と後悔する可能性もあります。次のセクションでは、あえて「不人気」と言われるカラーの魅力に迫ります。

なぜ？ヤリスで「不人気カラー」と言われてしまう悲しい理由

人気色がある一方で、残念ながら「不人気カラー」というレッテルを貼られてしまう色が存在するのも事実です。では、なぜそれらの色は、多くの人に選ばれにくいのでしょうか。その背景には、いくつかの共通した理由があります。結論から言うと、不人気と言われる色は、「個性が強すぎる」ために、幅広い層からの支持を得にくいという、ある意味で宿命的な課題を抱えています。

第一の理由は、「派手で目立ちすぎる」という点です。例えば、ヤリスに設定されている「コーラルクリスタルシャイン」や「シアンメタリック」のような鮮やかな色は、街中でも非常に目を引きます。この「目立つ」という点を、「お洒落で良い」と捉える人もいれば、「気恥ずかしい」「悪目立ちしたくない」とネガティブに捉える人もいます。日本では、どちらかというと後者のように、周囲との調和を重んじる傾向が強いため、こうした派手な色は敬遠されがちです。

第二に、「飽きが来るかもしれない」という不安です。購入した直後は、その新鮮さや美しさに満足していても、毎日乗っているうちに、その強い色に疲れてしまったり、好みが変わってしまったりするリスクがあります。白や黒といった無彩色に比べて、彩度の高い色は、流行の影響も受けやすいため、数年後のことを考えると、なかなか決断できないという人が多いのです。

そして、最後の最も大きな理由が、リセールバリューへの影響です。これは後のセクションで詳しく解説しますが、中古車市場では、次に買う人が限定されるような個性的な色は、どうしても需要が少なくなり、買取価格が低くなる傾向にあります。「好き」という気持ちと、「損をしたくない」という現実的な気持ちの狭間で、多くの人が無難な人気色へと流れてしまうのです。これらの理由が複合的に絡み合い、「不人気カラー」というポジションを生み出しているのです。

個性派カラー①「コーラルクリスタルシャイン」は女性だけのもの？

ヤリスの個性派カラーの代表格といえば、まずこの「コーラルクリスタルシャイン」が挙げられるでしょう。その名の通り、南国の海に咲く珊瑚（コーラル）をイメージさせる、柔らかく優しいピンク系のメタリックカラーです。この色に対して、「可愛すぎる」「女性向けの色」というイメージを持つ方も多いかもしれません。しかし、結論から言うと、コーラルクリスタルシャインは、その先入観を乗り越えた先に、本当の魅力が見えてくる、非常に奥深いカラーなのです。

確かに、ピンク系のカラーということで、女性ユーザーからの人気が高いのは事実です。コンパクトでキュートなヤリスのデザインとも相性が良く、華やかで明るいカーライフを演出してくれます。しかし、この色を「女性専用」と決めつけてしまうのは、非常にもったいないことです。よく見ると、ただのピンクではなく、パール塗装によって、光の当たり方でオレンジやゴールドのようにも輝く、複雑で深みのある色合いをしています。この上品な輝きが、子供っぽさを消し去り、大人が乗るにふさわしい高級感を醸し出しています。

むしろ、男性がこの色をサラリと乗りこなしていると、どうでしょうか。「あの人、すごくセンスが良いな」「自分のスタイルを持っている、お洒落な人だな」という印象を与えることができるかもしれません。周りが選ばない色をあえて選ぶことで、その他大勢から一歩抜け出した、独自の個性を表現できるのです。もちろん、万人受けする色ではないため、不人気と言われればその通りかもしれません。リセールも不利になる可能性があります。

しかし、もしあなたが、カタログを見てこの色に少しでも心惹かれたのであれば、ぜひ一度、ディーラーで実車を確認してみてください。太陽の下で見るコーラルクリスタルシャインの輝きは、あなたの固定観念を覆すほどの美しさを秘めています。「人気がないから」という理由だけで選択肢から外すには、あまりにも惜しい、魅力的なカラーなのです。

個性派カラー②「シアンメタリック」の爽やかな魅力とリアルな評価

ヤリスのカラーラインナップの中で、ひときわ目を引く鮮やかな色が「シアンメタリック」です。澄み渡る青空や、南国の透き通った海を連想させる、明るいブルー系のこのカラーは、ヤリスに軽快でアクティブな印象を与えます。これもまた、一般的には「不人気カラー」のカテゴリーに入れられがちな色ですが、その魅力とリアルな評価はどうなのでしょうか。

結論から言うと、シアンメタリックは、ヤリスの持つ「キビキビとした走り」や「若々しさ」といったキャラクターを、最もストレートに表現してくれるカラーです。白や黒といった定番色にはない、躍動感と楽しさに満ちています。街中を走れば、その爽やかなカラーリングが注目の的となり、気分を明るくしてくれます。特に、ドライブやアウトドアレジャーが好きな、活動的な方にぴったりの色と言えるでしょう。

コーラルクリスタルシャインが女性的なイメージを持たれがちなのに対し、このシアンメタリックは、意外にも男性からの支持も少なくありません。スポーティなカスタムのベースカラーとしても映え、ブラックのパーツなどと組み合わせることで、より精悍なイメージに仕上げることも可能です。派手な色ではありますが、ブルー系は比較的、性別を問わずに受け入れられやすいという特徴があります。ただし、やはり定番色に比べれば、好みが分かれる色であることは間違いありません。特に、年配の方や、落ち着いた雰囲気を好む方からは、敬遠されてしまう可能性があります。

リセールバリューの観点では、やはり不利になることは否めません。中古車市場では、ブルー系の色は、白・黒・シルバーに比べて、どうしても需要が限られてしまいます。しかし、それでもなお、この色を選ぶ価値は十分にあります。クルマは自分の個性を表現するツールの一つと考える方や、ありきたりな色では満足できない方にとって、シアンメタリックは最高の選択肢となり得ます。毎日の運転を、もっと楽しく、もっとワクワクするものにしたいなら、ぜひこの爽やかなブルーを検討してみてはいかがでしょうか。

個性派カラー③「アバンギャルドブロンズメタリック」の玄人好みのかっこよさ

ヤリスのカラーラインナップの中で、一見地味ながらも、見る人が見ればその魅力に唸る、玄人好みのカラーが「アバンギャルドブロンズメタリック」です。ブラウンとグレーを混ぜ合わせたような、深みのあるブロンズカラーは、他のどの色にもない、独特のオーラを放っています。これもまた、販売比率で言えば不人気カラーの部類に入りますが、その魅力は計り知れません。

結論として、アバンギャルドブロンズは、ヤリスという大衆車に、欧州車のような上質さと、落ち着いた大人の品格を与えてくれる、非常に稀有なカラーです。派手さはありませんが、光の当たり方によって、ゴールドのようにも、カーキのようにも見える複雑な色味は、ヤリスのボディラインの抑揚を美しく、そして官能的に見せてくれます。まるで、高級なオーダースーツを纏ったかのような、知的なかっこよさがあります。

この色は、特に「違いの分かる」大人にこそ選んでほしいカラーです。白や黒では満足できない、しかし派手な色も好まない。そんな成熟した価値観を持つ方に、完璧にマッチします。周りに流されず、自分だけのスタイルを確立したいと考える方にとって、これ以上ない選択肢と言えるでしょう。また、中間色であるため、砂埃や泥ハネといった汚れが非常に目立ちにくいという、実用的なメリットも兼ね備えています。見た目の美しさと、日々の使いやすさを両立している点も、高く評価できるポイントです。

リセールバリューについては、これもまた難しいところです。ブラックやホワイトほど高くはなりませんが、その希少性から、特定の層に高く評価される可能性があります。「この色のヤリスを探していたんです！」という買い手が見つかれば、思いがけず高値で売却できるかもしれません。流行に左右されない普遍的な魅力を持つアバンギャルドブロンズは、まさに「知る人ぞ知る」名色です。その他大勢と同じであることを良しとしない、あなただけの特別な一台に、この色を選んでみてはいかがでしょうか。

意外と悩む「ツートンカラー」はあり？なし？その評価と注意点

ヤリスのカラー選びをさらに楽しく、そして複雑にしているのが、「ツートンカラー」の存在です。ボディ本体の色とは別に、ルーフ（屋根）とドアミラーをブラックにするこのオプションは、ヤリスの印象をガラリと変える効果があります。では、このツートンカラーは果たして「あり」なのでしょうか、それとも「なし」なのでしょうか。

結論から言うと、ツートンカラーは、ヤリスをよりスタイリッシュで、個性的に見せたい場合には、非常に有効な「あり」な選択肢です。ルーフがブラックになることで、車全体の重心が低く見え、ワイド＆ローなスポーティなフォルムが強調されます。特に、プラチナホワイトパールマイカやシアンメタリックといった明るいボディカラーと組み合わせると、そのコントラストが際立ち、非常にお洒落な雰囲気を演出できます。まるで、帽子をかぶっているかのような愛嬌も生まれ、自分だけの特別なヤリスに仕上げることが可能です。

しかし、ツートンカラーを選ぶ際には、いくつかの注意点も理解しておく必要があります。まず、これは有償のメーカーオプションであるため、モノトーン（単色）に比べて、数万円の追加費用が発生します。この価格差をどう捉えるかが、まず最初の判断ポイントとなるでしょう。また、洗車やメンテナンスの際に、ルーフ部分だけ異なる手入れが必要になる可能性も考慮しておく必要があります。

そして、気になるリセールバリューですが、これは一概には言えません。基本的には、組み合わせるベースのボディカラーの人気度に大きく依存します。例えば、「プラチナホワイトパールマイカ」のツートンであれば、モノトーンと同様に高いリセールが期待できます。しかし、「コーラルクリスタルシャイン」のツートンのように、ベースが不人気色の場合は、ツートンにしたからといって、リセールが劇的に良くなるわけではありません。むしろ、個性が強くなりすぎることで、さらに買い手が限定されてしまう可能性もゼロではありません。ツートンカラーは、あくまで「自分の好み」を優先して選ぶべき、趣味性の高いオプションと考えるのが良いでしょう。

不人気カラーを選んで後悔しないために！リセールと選び方のコツ

【最重要】リセールバリューへのリアルな影響！不人気色は本当に損なのか

さて、この記事で最も核心に触れる部分です。「不人気カラーを選ぶと、リセールバリューで本当に損をするのか？」この疑問に対して、包み隠さず、正直にお答えします。結論から申し上げると、はい、残念ながらその傾向は事実として存在します。中古車市場は、需要と供給のバランスで価格が決まります。多くの人が求める白・黒・シルバーに比べて、コーラルやシアンといった個性的な色は、次に買う人が限られるため、どうしても買取価格は低くなってしまうのです。

では、具体的にどのくらいの差額が出るのでしょうか。これは、その時の市場の状況や、クルマの状態によって大きく変動するため一概には言えませんが、一般的には、最も人気の高いプラチナホワイトパールマイカと比較して、不人気色と言われるカラーは、3年後の査定で5万円から、場合によっては15万円程度の差が付く可能性がある、と考えておくと良いでしょう。車両本体価格が200万円前後のヤリスにとって、この差額は決して小さくはありません。「損をしたくない」という気持ちが働くのは当然のことです。

しかし、ここで見方を変えてみましょう。例えば、差額が10万円だったとします。3年間、つまり36か月間そのクルマに乗ったとすると、1か月あたり約2,700円の差です。月々3,000円弱の追加料金で、「自分が本当に乗りたかった、大好きな色のクルマに毎日乗れる」と考えれば、どうでしょうか。その満足感は、失うかもしれない10万円の価値を、はるかに上回るのではないでしょうか。

また、不人気色には「希少価値」という側面もあります。中古車市場にタマ数が少ないため、「その色のヤリスをずっと探していたんです！」という熱心な買い手や、個性的な在庫を欲しがる販売店が現れれば、思いがけず高い評価を得られる可能性もゼロではありません。リセールでの不利は事実として受け止めつつも、過度に恐れる必要はない、というのが私の考えです。それよりも、次のセクションでお話しする、「自分の気持ち」と向き合うことの方が、はるかに重要です。

後悔しないための色選び！人気よりも「自分の好き」を大切に

ここまで、人気色、不人気色、そしてリセールバリューと、様々な角度からヤリスのカラー選びを分析してきました。しかし、私がこの記事で最も伝えたいことは、実は非常にシンプルです。それは、「他人の評価や数年後の査定額よりも、今この瞬間の、あなたの『好き』という気持ちを何よりも大切にしてほしい」ということです。

考えてみてください。クルマは、購入してから数年間、あなたの生活に寄り添う大切なパートナーです。天気の良い日に気分良くドライブする時も、仕事で疲れて帰る時も、いつもあなたの傍にあります。そのパートナーの「色」を、リセールバリューという他人の評価軸のためだけに、我慢して選んでしまって良いのでしょうか。「本当はあの色が良かったんだけど、売る時のことを考えて白にしたんだ」と、心のどこかで思いながら乗り続ける3年間と、「この色が本当に好きだから選んだんだ」と、胸を張って乗る3年間とでは、カーライフの充実度は天と地ほどの差があるはずです。

前述の通り、不人気色を選んだことによるリセールでの損失は、せいぜい数万円から十数万円程度です。その金額のために、毎日の運転の楽しさや、愛車を見るたびに感じる高揚感を犠牲にするのは、あまりにも本末転倒ではないでしょうか。月々数千円の差額で、あなたの心が満たされるのであれば、それは「投資」とさえ言えるかもしれません。

そして、本当に好きな色を選んだクルマには、自然と愛着が湧くものです。愛着が湧けば、こまめに洗車をしたり、大切に運転したりするようになります。その結果、数年後もクルマは綺麗な状態を保ち、査定の際にもプラスに評価される、という好循環が生まれるかもしれません。「人気色だから」という消極的な理由ではなく、「この色が好きだから」という積極的な理由で選ぶこと。それこそが、後悔しない色選びの、唯一絶対の正解なのです。

汚れや傷の目立ちやすさをカラー別に比較

色選びにおいては、見た目の好みだけでなく、「日々のメンテナンス性」という現実的な側面も考慮に入れる必要があります。特に、駐車環境が屋外であったり、こまめな洗車が苦手だったりする方にとっては、汚れや傷の目立ちやすさは重要な判断基準となります。ここでは、ヤリスのボディカラーを、メンテナンス性の観点から比較してみましょう。

まず、最も手入れが楽で、汚れが目立たないカラーの王者は、やはり「シルバーメタリック」です。シルバーは、ボディに付着する砂埃や、雨が降った後にできる雨ジミの色合いに近いため、汚れをうまくカモフラージュしてくれます。多少汚れていても、全体の印象が損なわれにくいため、「洗車をサボっても綺麗に見える」という、ズボラさんには嬉しいメリットがあります。また、洗車時にできてしまう細かい拭き傷も、最も目立ちにくい色です。

一方で、人気色の「ブラック」と「ホワイト」は、実は最も手入れに気を使うカラーです。ブラックは、砂埃や花粉といった白っぽい汚れが非常に目立ちます。また、塗装面が太陽熱を吸収しやすいため、雨ジミが焼き付いてウォータースポットになりやすいという弱点もあります。ホワイトは、逆に泥ハネや、ドアノブや窓枠から垂れる黒い筋状の水垢が目立ちます。どちらの色も、美しさを保つためには、こまめな洗車が欠かせません。

では、この記事で取り上げてきた個性派カラーはどうでしょうか。結論から言うと、コーラル、シアン、ブロンズといった中間色は、シルバーほどではありませんが、比較的汚れに強い傾向にあります。これらの色は、白と黒の中間の明るさを持つため、どちらのタイプの汚れも、それなりに目立ちにくくしてくれます。特に「アバンギャルドブロンズメタリック」は、シルバーに近い感覚で、気楽に付き合えるカラーと言えるでしょう。以下に、簡単な比較表をまとめます。

見た目の好みと、ご自身の洗車の頻度や保管環境を天秤にかけ、総合的に判断することが、後悔しないためのポイントです。

兄弟車やライバル車のカラーと比較して、自分の好みを再確認する

ヤリスのカラーラインナップの中で迷ってしまった時、一度、視点を変えて、他の車種のボディカラーを見てみるのも、自分の好みを再確認する上で非常に有効な方法です。同じメーカーの他のクルマや、競合するライバル車のカラー展開と比較することで、「やっぱり自分はこの色が好きだ」と確信できたり、「こんな選択肢もあったのか」と新たな発見があったりします。

まず、比較対象として面白いのが、ヤリスの兄弟車である「ヤリスクロス」です。同じプラットフォームを共有しながらも、ヤリスクロスには、よりSUVらしいアースカラー系の「ブラスゴールドメタリック」や、落ち着いた「グレイッシュブルー」といった専用色が設定されています。これらの色を見ることで、ヤリスのカラーラインナップが、より都会的でポップな方向性を志向していることが分かります。もし、ヤリスクロスの色の方に魅力を感じるのであれば、車種そのものの選択を再検討するきっかけになるかもしれません。

また、軽自動車ですが、カラー戦略で成功しているスズキ「ハスラー」と比べてみるのも興味深いです。ハスラーは、「デニムブルー」や「バーミリオンオレンジ」など、遊び心に満ちたポップなツートンカラーを数多くラインナップし、それが車種のキャラクターを決定づけています。これと比較すると、ヤリスのカラーは、個性的でありながらも、どこかにトヨタらしい品格や、万人受けを意識したバランス感覚が保たれていることが分かります。ライバル車を見ることで、ヤリスのカラーが持つ独自のポジションが、より客観的に理解できるのです。

様々なメーカーのウェブサイトを見たり、実際に街中を走っているクルマの色を意識的に観察したりするのも良いでしょう。大切なのは、固定観念に囚われず、できるだけ多くの「色」に触れることです。その中で、自分が無意識に惹かれる色の系統（暖色系か寒色系か、明るい色か暗い色かなど）を分析してみると、これまで気づかなかった自分の本当の好みが見えてくるはずです。そうして見つけ出した「軸」を元に、もう一度ヤリスのカラーラインナップを見つめ直せば、きっと、あなたにとって最高の答えが見つかるでしょう。

【FAQ】ヤリスのボディカラー選びに関する、よくある質問

ここでは、ヤリスのボディカラー選びに関して、多くの方が抱くであろう、さらに細かい疑問について、Q&A形式でお答えしていきます。

Q1. いわゆる「不人気カラー」は、人気色に比べて塗装の品質が劣ったり、色褪せしやすかったりすることはありますか？

A1. そのような心配は一切ありません。ご安心ください。トヨタの塗装技術は世界トップレベルです。人気色であろうと不人気色であろうと、すべてのボディカラーは、同じ厳しい品質基準に基づいて塗装されています。耐久性や耐候性（色褪せのしにくさ）に差が設けられているということは、決してありません。どの色を選んでも、レクサスにも採用される最新の塗装技術の恩恵を受けることができます。色の好みだけで、純粋に選んで大丈夫です。

Q2. 不人気色を選ぶと、納期が長くなるなどの影響はありますか？

A2. 可能性はゼロではありません。自動車の生産は、人気の高い仕様（グレードやカラー）を中心に行われる傾向があります。そのため、注文数が少ない個性的なカラーは、まとめて生産されるのを待つために、タイミングによっては、定番の白や黒に比べて、納期が数週間から1か月程度、長くかかってしまう場合があります。もし納期を少しでも早めたい場合は、契約前にディーラーの担当者に、「この色の現在の納期はどれくらいですか？」と確認してみることをお勧めします。

Q3. カタログやネットの写真だけで色を決めるのは、やはり危険ですか？

A3. はい、非常に危険です。結論から言うと、実物を見ずにボディカラーを決めるのは、絶対にやめるべきです。印刷物やモニターの画面では、色の正確な再現には限界があります。特に、ヤリスに多いメタリックやパール系の塗装は、光の当たり方で印象が大きく変わります。必ずディーラーに足を運び、屋外の太陽光の下で、実際の「カラーサンプル（色見本板）」を確認してください。できれば、希望する色の試乗車や展示車があれば、それを見るのが最も確実です。後悔しないために、この手間だけは惜しまないでください。

【総まとめ】あなたにとって最高のヤリスのカラーを見つける方法