「え、これってフェラーリ?」「いや、クラウンじゃない?」… 近年、自動車ファンの間で、そしてSNSなどのネット上で、そんな驚きと共に語られているのが、イタリアの至宝フェラーリが初めて世に送り出したSUV「プロサングエ」と、日本の伝統あるブランドトヨタの「クラウンスポーツ」のデザインが「驚くほど似ている」という話題です。
片やV12エンジンを搭載し、価格も数千万円クラスというスーパーSUV。片や、クラウンの名を冠しつつも斬新なクーペSUVスタイルで登場した、日本のハイブリッド/PHEVモデル。
出自も価格帯も全く異なるこの2台ですが、特にフロントマスクのデザインや、全体のシルエットに、確かに共通する要素が見受けられるのです。この「激似」騒動は、単なる偶然の一致なのでしょうか?それとも、現代のデザイントレンドが生んだ必然なのでしょうか?はたまた、どちらかがどちらかを意識した…?
この記事では、大きな話題となっているフェラーリ プロサングエとトヨタ クラウンスポーツのデザインについて、具体的な類似点や相違点を比較・検証していきます。さらに、デザイン面だけでなく、両車のコンセプト、性能、価格、ブランドイメージといった本質的な違いにも触れながら、なぜこのような比較がされるのか、その背景を探ります。デザインの類似性の真相と、それぞれの車が持つ独自の価値に迫ってみましょう。
- フェラーリ プロサングエとトヨタ クラウンスポーツのデザイン、特にフロントマスクやシルエットが似ていると話題
- 薄型ヘッドライトや台形グリル、クーペSUV風フォルムなどが共通項として挙げられる
- しかし、ボディサイズ、エンジン、価格、ブランド、コンセプトは全く異なる
- デザインの類似は、現代のSUVデザインのトレンドや空力性能追求の結果という側面もある
激似と話題!フェラーリ プロサングエとクラウンスポーツのデザイン比較
- ネット騒然? プロサングエとクラウンスポーツが似てると言われる理由
- フロントマスク比較 ハンマーヘッドと薄型ヘッドライト
- サイドビュー比較 クーペSUV風の流麗なシルエット
- リアデザイン比較 テールランプやディフューザー形状
- ボディサイズ(全長・全幅・全高 mm)の比較
- 偶然の一致? それともデザインのトレンド?
ネット騒然? プロサングエとクラウンスポーツが似てると言われる理由
- 両車の発表時期が比較的近かったことも話題に拍車
- 特にフロントマスクのデザインが「そっくり」との声が多い
- SNSなどで比較画像が多く投稿され、話題が拡散
フェラーリ プロサングエとトヨタ クラウンスポーツのデザインが「似ている」という話題は、特に両車の発表時期が比較的近かったこともあり、インターネット上を中心に大きな注目を集めました。
プロサングエは2022年9月に、クラウンスポーツは(プロトタイプ発表などを経て)2023年に正式発表・発売されており、ユーザーが両車の画像を目にするタイミングが重なったことも、比較されやすくなった一因でしょう。
特に、「フロントマスク(顔つき)がそっくりだ」という意見が多く聞かれます。薄型のヘッドライト(デイタイムランニングランプ)や、バンパー下部に大きく開けられた台形のグリル形状などが、両車に共通するデザイン要素として指摘されています。
SNSなどでは、両車の写真を並べて比較する投稿が多数見られ、「見間違えた」「パクリ疑惑?」といった、やや過激なコメントと共に話題が拡散しました。
また、フロントマスクだけでなく、サイドから見た時の、ルーフがなだらかに下降していくクーペSUV風のシルエットや、リアフェンダーの張り出し具合なども、どことなく似た雰囲気を感じさせる要因となっています。
もちろん、車のデザインにおいて、特定の要素が似ているということは珍しいことではありません。
しかし、イタリアの超高級スポーツカーブランドであるフェラーリと、日本の国民的ブランドであるトヨタのクラウンという、全く異なる出自を持つ2台のデザインが、これほどまでに比較されるというのは、非常に興味深い現象と言えるでしょう。
フロントマスク比較 ハンマーヘッドと薄型ヘッドライト
- 両車とも、薄くシャープなデイタイムランニングランプが特徴的
- バンパー下部に配置された大型の台形グリル(開口部)
- クラウンスポーツはトヨタ・レクサスの「ハンマーヘッド」デザインを採用
プロサングエとクラウンスポーツのデザインが似ている、と言われる最大のポイントが、フロントマスクのデザインです。両車に共通して見られる特徴を比較してみましょう。
まず、ヘッドライト周りです。両車とも、ボンネットの低い位置に、非常に薄くシャープな形状のデイタイムランニングランプ(DRL)が配置されています。そして、実際のヘッドライト本体は、バンパー側、あるいはDRLの下部に組み込まれるようなデザインとなっています(光源の詳細は異なります)。
次に、フロントグリル(またはバンパー開口部)です。
両車とも、バンパーの下部中央に、大きな台形の開口部が設けられています。プロサングエは冷却性能を重視した機能的なデザイン、クラウンスポーツは近年のトヨタ・レクサス車に共通する「ハンマーヘッド」モチーフの一部として、この形状を採用しています。この「薄型DRL+大型台形ロアグリル」という組み合わせが、両車のフロントマスクの印象を非常に似通ったものにしている主な要因と考えられます。
ただし、細かく見れば違いもあります。例えば、グリルの内部のデザイン(メッシュパターンなど)や、バンパー左右のダクト形状、ボンネットのプレスラインなどは、それぞれ独自の意匠となっています。クラウンスポーツの方が、よりシャープでエッジの効いたラインで構成されている印象も受けます。
とはいえ、パッと見た時の全体の雰囲気、特に「顔つき」が似ていると感じる人が多いのは、十分に理解できる類似性と言えるでしょう。
サイドビュー比較 クーペSUV風の流麗なシルエット
- 両車とも、ルーフが後方に向かってなだらかに下降するクーペライクなフォルム
- 張り出したリアフェンダーが筋肉質な印象を与える
- ただし、ドアの枚数(プロサングエは観音開き4ドア)やキャラクターラインは異なる
フロントマスクだけでなく、サイドから見た時のシルエットも、プロサングエとクラウンスポーツが比較されるポイントの一つです。両車ともに、いわゆる「クーペSUV」と呼ばれるカテゴリーに属するような、流麗なスタイリングを持っています。
具体的には、フロントからリアにかけて、ルーフラインがなだらかに下降していくデザインが共通しています。これにより、SUVでありながらも、スポーティでエレガントな印象を与えています。
また、リアフェンダー部分が大きく張り出している点も、両車に共通する特徴です。これにより、ボディに抑揚が生まれ、筋肉質でダイナミックなサイドビューを演出しています。
しかし、サイドビューにも明確な違いがあります。最も大きな違いはドアの構成です。
クラウンスポーツが一般的なヒンジ式の4ドアであるのに対し、プロサングエは、前席ドアが通常通り、後席ドアが後ろヒンジで逆方向に開く「観音開き(フリースタイルドア)」タイプの4ドアを採用しています。これはプロサングエの大きな特徴の一つです。
また、ボディサイドに入れられたキャラクターライン(プレスライン)のデザインや、窓(ウィンドウグラフィック)の形状なども、それぞれ独自のデザインとなっています。ホイールのデザインも、フェラーリとトヨタでは全く異なります。
このように、全体のシルエットやフェンダーのボリューム感には似た雰囲気があるものの、細部のデザインやドア構成などには明確な違いが見られます。
リアデザイン比較 テールランプやディフューザー形状
- リアコンビネーションランプのデザインは両車で異なる
- プロサングエは左右独立の丸形(に近い)ランプ、クラウンスポーツは横一文字
- リアバンパー下部のディフューザー風デザインには類似性も?
リアのデザインについては、フロントマスクほどの強い類似性は見られないものの、比較されるポイントがいくつかあります。
まず、リアコンビネーションランプのデザインです。ここには明確な違いがあり、プロサングエは左右それぞれに独立した、フェラーリの伝統を感じさせる丸形(に近い形状)のテールランプを採用しています。
一方、クラウンスポーツは、近年のトヨタ・レクサス車に多く見られる、左右が繋がった横一文字のデザインを採用しています。ランプの点灯パターンなども含め、両車のリアの表情は大きく異なります。
しかし、リアバンパー下部のデザイン、特にディフューザー風の処理には、どことなく似た雰囲気を感じるかもしれません。
両車とも、バンパー下部にブラックアウトされた樹脂パーツを用い、スポーティな印象を与えるディフューザー形状を採用しています。
マフラーエンドの処理(プロサングエは左右4本出し、クラウンスポーツは隠されているか、グレードにより異なる)は違いますが、バンパー下部のボリューム感や造形に、共通するテイストを感じる人もいるようです。
また、リアゲートの形状や、ルーフスポイラーのデザインなども含め、全体的なリアビューのまとまり方として、クーペSUVとしての共通の方向性を目指した結果、似たような印象を与える部分があるのかもしれません。
とはいえ、テールランプのデザインが決定的に違うため、リアに関しては「激似」というほどの類似性はないと言えるでしょう。
ボディサイズ(全長・全幅・全高 mm)の比較
- プロサングエの方が、全長・全幅・全高ともにクラウンスポーツより大きい
- 特に全幅はプロサングエが2mを超えるワイドボディ
- サイズ感の違いは、実車を見ると明確に感じられるはず
デザインの印象が似ていると言われるプロサングエとクラウンスポーツですが、実際のボディサイズ(寸法)を比較すると、明確な違いがあります。
まず全長ですが、プロサングエは約4,973mmであるのに対し、クラウンスポーツは約4,720mmです。プロサングエの方が25cm以上長いことになります。
次に全幅です。プロサングエは約2,028mmと、2mを超える堂々たるワイドボディです。一方、クラウンスポーツは約1,880mmであり、プロサングエの方が15cm近く幅広いです。
最後に全高ですが、プロサングエは約1,589mm、クラウンスポーツは約1,565mm(仕様により異なる)と、全高については比較的近い数値ですが、それでもプロサングエの方がやや高くなっています。
このように、数字の上では、全ての寸法においてプロサングエの方がクラウンスポーツよりも一回り以上大きいことが分かります。
特に全幅が2mを超えるプロサングエは、かなりの迫力を持っていると想像できます。写真や画面越しではデザインが似ているように見えても、実際に2台を並べてみれば、そのサイズ感の違いは一目瞭然であり、全く異なる車格であることが明確に感じられるはずです。
クラウンスポーツも決して小さな車ではありませんが、プロサングエはそれをさらに上回る、スーパーカーブランドならではの存在感を放つサイズを持っているのです。このサイズの違いも、両車のコンセプトやターゲット層の違いを反映していると言えるでしょう。
偶然の一致? それともデザインのトレンド?
- 薄型ヘッドライトや大型ロアグリルは、近年のデザイントレンドの一つ
- クーペSUVというカテゴリー自体が流行しており、デザインが似る傾向も
- 空力性能や冷却性能を追求した結果、似た形状になる可能性
では、なぜ出自も価格もサイズも異なるプロサングエとクラウンスポーツのデザインが、これほどまでに似ていると話題になるのでしょうか?単なる偶然の一致なのでしょうか?
一つの可能性として考えられるのは、「現代の自動車デザインのトレンド」の影響です。例えば、ヘッドライトを薄型化し、バンパー下部のグリル(開口部)を大型化するというデザイン手法は、近年の多くの車種(特にSUVやスポーティモデル)で見られるトレンドの一つです。これにより、シャープでアグレッシブな表情を演出しやすくなります。
また、「クーペSUV」というカテゴリー自体が世界的な流行となっており、空力性能を意識した流麗なルーフラインや、張り出したフェンダーといった要素が、多くのメーカーで採用される傾向にあります。こうしたデザインのトレンドを、フェラーリとトヨタがそれぞれ独自に追求した結果、期せずして似たようなデザインランゲージに行き着いた、という可能性は十分に考えられます。
さらに、空力性能や冷却性能といった、機能的な要求を満たすためにデザインを突き詰めていくと、必然的に似たような形状に収斂していく、という側面もあるかもしれません。もちろん、開発時期などを考えると、どちらかがどちらかを「参考にした」可能性もゼロとは言い切れませんが、安易な模倣と断定するのは難しいでしょう。
デザインの類似性は、偶然、トレンド、機能的要請など、様々な要因が複合的に絡み合った結果と考えるのが、最も自然なのかもしれません。
似ているだけじゃない?プロサングエとクラウンスポーツの真価
- コンセプトとターゲット層の違い ショーファーカーとパーソナルSUV
- エンジンとパフォーマンス V12自然吸気 vs ハイブリッド/PHEV
- 価格帯の圧倒的な違い 数千万円 vs 数百万円
- インテリア(内装)の比較 ラグジュアリーとスポーティ&上質
- ブランドイメージと歴史 フェラーリとトヨタ・クラウン
- それぞれの魅力と価値 どちらが良い悪いではない
- まとめ:デザインは似ていても、全く異なる二つの個性
コンセプトとターゲット層の違い ショーファーカーとパーソナルSUV
- プロサングエ:フェラーリ初の4ドア4シーター、走りも実用性も追求
- クラウンスポーツ:クラウンシリーズの新たな形、デザインと走りを重視したパーソナルSUV
- 想定されるオーナー像や使われ方は大きく異なる
デザインの類似性が話題となるプロサングエとクラウンスポーツですが、その開発コンセプトやターゲットとしている顧客層は、全く異なります。
まず、フェラーリ プロサングエです。これは、フェラーリ史上初となる4ドア4シーターモデルであり、SUVというよりは「フェラーリ・ユーティリティ・ビークル(FUV)」と呼ぶべき、全く新しいコンセプトの車です。
スーパーカー並みの圧倒的なパフォーマンスを持ちながらも、4人が快適に乗れる居住性と実用性を兼ね備えることを目指して開発されました。ターゲットとなるのは、フェラーリの走りやブランドを愛しつつも、家族や友人と共に移動できる利便性を求める、超富裕層の顧客です。
一方、トヨタ クラウンスポーツは、伝統あるクラウンブランドを、セダンという枠にとらわれずに再定義しようとする、16代目クラウンシリーズの一つです。
その中でもスポーツは、デザインと走りに重点を置いた、エモーショナルな価値を提供するパーソナルなSUVという位置づけです。ターゲットとなるのは、従来のクラウンユーザーとは異なる、新しい価値観を持つ層や、デザインコンシャスな若い世代など、より幅広い層を想定していると考えられます。
このように、プロサングエが「究極のパフォーマンスと実用性の融合」を目指すスーパーカーブランドの挑戦であるのに対し、クラウンスポーツは「新しい時代のクラウン像」を提示する、日本の国民的ブランドの革新です。
想定されるオーナー像や、その車が使われるであろうシーンは、全く異なると言ってよいでしょう。コンセプトの違いが、両車の本質的な差を生み出しています。
エンジンとパフォーマンス V12自然吸気 vs ハイブリッド/PHEV
- プロサングエ:最高出力725psを誇る6.5L V12自然吸気エンジン搭載
- クラウンスポーツ:2.5Lハイブリッド(HEV)と2.5Lプラグインハイブリッド(PHEV)
- パフォーマンスレベルは比較にならないほどプロサングエが圧倒的
デザイン以上に、プロサングエとクラウンスポーツの間で決定的な違いとなるのが、搭載されるエンジンと、それによってもたらされるパフォーマンスです。
フェラーリ プロサングエの心臓部には、フェラーリ伝統の、そして今や絶滅危惧種ともいえる、6.5L V型12気筒自然吸気エンジンが搭載されています。その最高出力は725ps、最大トルクは716Nmという、まさにスーパーカーの領域に達するスペックを誇ります。0-100km/h加速はわずか3.3秒と公表されており、SUVの常識を覆す圧倒的な動力性能を持っています。
一方、トヨタ クラウンスポーツのパワートレインは、環境性能と効率を重視した電動化技術が中心です。メインとなるのは、2.5L直列4気筒エンジンとモーターを組み合わせたハイブリッドシステム(HEV)です。さらに、よりパワフルでEV走行も可能なプラグインハイブリッドシステム(PHEV)も用意されています。
PHEVモデルのシステム最高出力はHEVモデルを上回りますが、それでもプロサングエのV12エンジンとは比較になりません。もちろん、クラウンスポーツのパフォーマンスも、日常域では十分以上であり、特にPHEVモデルは力強い加速を見せます。
しかし、プロサングエが持つ、V12自然吸気エンジンならではの官能的なサウンドや、異次元の加速フィールとは、全く異なる次元の走りと言えるでしょう。
プロサングエが究極のドライビングプレジャーを追求するのに対し、クラウンスポーツは環境性能と実用性、そしてスポーティな走りをバランスさせています。このエンジンとパフォーマンスの違いは、両車の価格差やブランドの方向性を如実に示しています。
価格帯の圧倒的な違い 数千万円 vs 数百万円
- プロサングエの新車価格は日本では約4760万円から
- クラウンスポーツの新車価格は約590万円から(PHEVは約765万円から)
- 両者の間には、文字通り桁違いの価格差が存在
プロサングエとクラウンスポーツを比較する上で、最も分かりやすく、そして決定的な違いとなるのが「価格」です。
フェラーリ プロサングエの新車価格は、日本円で約4760万円からと発表されています。もちろん、これはあくまで車両本体価格であり、様々なオプションを追加していくと、総額は5000万円をゆうに超え、場合によっては6000万円近くになることも考えられます。まさに、選ばれた富裕層だけが手にすることのできる、スーパーカープライスです。
一方、トヨタ クラウンスポーツの新車価格は、ハイブリッド(HEV)モデルの「SPORT Z」グレードが約590万円から。プラグインハイブリッド(PHEV)モデルの「SPORT RS」グレードが約765万円からとなっています(2025年4月時点、オプション等含まず)。こちらも決して安い価格ではありませんが、プロサングエと比較すると、その価格差は文字通り「桁違い」です。
プロサングエ1台の価格で、クラウンスポーツが何台も買えてしまう計算になります。この圧倒的な価格差は、両車が全く異なるマーケットをターゲットにしていることを明確に示しています。
プロサングエは、パフォーマンス、ブランド、希少性など、あらゆる面で最高峰を求める顧客に向けた特別なモデルです。対してクラウンスポーツは、トヨタブランドの最上級ラインに位置づけられつつも、より多くのユーザーに新しい価値を提供しようとするモデルです。
デザインが似ているという話題はあっても、価格という現実的な側面を見れば、この2台を同列に比較すること自体が、そもそもナンセンスであると言えるかもしれません。
インテリア(内装)の比較 ラグジュアリーとスポーティ&上質
- プロサングエは最高級素材とクラフトマンシップによる究極のラグジュアリー空間
- クラウンスポーツはスポーティさと上質さを融合させたモダンな空間
- 質感や雰囲気、装備レベルは価格差相応に大きく異なる
エクステリアデザインに類似性が指摘される一方で、インテリア(内装)に目を向けると、プロサングエとクラウンスポーツの間には、それぞれのブランドと価格帯を反映した、明確な違いが見られます。
フェラーリ プロサングエのインテリアは、まさに究極のラグジュアリースポーツ空間です。最高級のレザーやアルカンターラ、カーボンファイバーといった素材が惜しみなく使用され、イタリアの熟練した職人による手作業で、 meticulous に仕立て上げられています。
デザインも、ドライバーオリエンテッドでありながら、同乗者をもてなすための上質な空間が追求されています。メーターやディスプレイの先進性も、フェラーリならではのものです。
一方、トヨタ クラウンスポーツのインテリアは、スポーティさとモダンな上質さを融合させた空間です。ドライバーを包み込むようなコックピットデザイン、大型のデジタルメーターとディスプレイ、そしてソフトパッドや合成皮革、グレードによっては本革などが用いられ、クラウンブランドにふさわしい質感が確保されています。
しかし、プロサングエと比較した場合、使用されている素材のグレードや、細部の作り込み、そして全体的な雰囲気の豪華さという点では、やはり価格差相応の違いがあると言わざるを得ません。もちろん、クラウンスポーツの内装も、同価格帯の国産車や輸入車と比較すれば十分に高品質です。
しかし、数千万円クラスのプロサングエが提供する、圧倒的なまでのラグジュアリー感や、特別な素材感とは、目指すレベルが異なります。インテリアにおいても、両車はそれぞれの立ち位置に応じた、異なる価値を提供しているのです。
ブランドイメージと歴史 フェラーリとトヨタ・クラウン
- フェラーリ:レース活動に根差した、情熱的なイタリアンスーパーカーブランド
- トヨタ・クラウン:日本の高級車の歴史を築いてきた、信頼と伝統のブランド
- 両ブランドが持つ背景やイメージは全く異なる
プロサングエとクラウンスポーツを生み出した、フェラーリとトヨタ・クラウンという二つのブランド。その歴史や背景、そして世間から持たれているイメージも、全く異なっています。
フェラーリは、言わずと知れたイタリアの超高級スポーツカーメーカーです。F1をはじめとするモータースポーツ活動に深く根ざし、その技術と情熱を市販車に注ぎ込んできました。跳ね馬のエンブレムは、速さ、美しさ、そして富の象徴として、世界中の人々を魅了し続けています。そのブランドイメージは、情熱的で、官能的、そして特別な存在感を放っています。
一方、トヨタ・クラウンは、1955年の初代登場以来、日本の高級車の歴史と共に歩んできた、非常に伝統のあるブランドです。長年にわたり、日本の皇室や政府、企業などに愛用され、「いつかはクラウン」というキャッチコピーに象徴されるように、多くの日本人にとって憧れの存在であり続けてきました。そのブランドイメージは、信頼性、快適性、そして落ち着きや品格といった、日本的な価値観と結びついています。
近年、クラウンは大きな変革期を迎え、スポーティで若々しいイメージも打ち出そうとしていますが、根底にあるのはやはり「日本の高級車」としての伝統です。
このように、情熱とスピードのイタリアンスーパーカーブランドと、信頼と伝統のジャパニーズラグジュアリーブランド。両者が持つブランドイメージや歴史的背景は、全く異なります。たとえ車のデザインに似ている部分があったとしても、それぞれのブランドが持つ物語や価値観は、唯一無二のものなのです。
それぞれの魅力と価値 どちらが良い悪いではない
- プロサングエ:究極のパフォーマンスとラグジュアリー、希少性
- クラウンスポーツ:斬新なデザイン、スポーティな走り、比較的手頃な価格
- どちらが優れているかではなく、それぞれの価値観に合うかどうかが重要
フェラーリ プロサングエとトヨタ クラウンスポーツ。デザインの類似性が指摘される一方で、その成り立ち、性能、価格、ブランドイメージは全く異なる、二つの個性的なSUV(あるいはクロスオーバー)です。
では、どちらの車が「良い」のでしょうか?
その問いに答えることはできません。なぜなら、両車は全く異なる価値を提供しており、どちらが良いかは、評価する人の価値観や求めるものによって完全に異なるからです。
プロサングエの魅力は、V12自然吸気エンジンがもたらす圧倒的なパフォーマンスと官能的なサウンド、フェラーリならではの卓越したハンドリング、最高級の素材とクラフトマンシップによるインテリア、そして何よりもその希少性とブランドステータスにあります。これは、経済的な豊かさに加えて、究極の体験を求める人々に向けられた価値です。
一方、クラウンスポーツの魅力は、これまでのクラウンのイメージを覆すような斬新でスタイリッシュなデザイン、SUVでありながらスポーティで軽快な走り、そしてハイブリッド/PHEVによる環境性能と経済性(プロサングエ比)、さらに比較的手の届きやすい価格帯にあります。これは、新しい時代の価値観や、個性を重視する層に向けられた魅力と言えるでしょう。
重要なのは、どちらが優れているか、劣っているか、という比較をすることではありません。それぞれの車が持つ独自の魅力と価値を理解し、それが自分の求めるもの、自分のライフスタイル、そして自分の価値観に合っているかどうかを判断することです。デザインが似ているという点は興味深い話題ですが、それは両車の本質的な価値とは別の次元の話なのです。
まとめ:デザインは似ていても、全く異なる二つの個性
- フェラーリ プロサングエとトヨタ クラウンスポーツは、特にフロントマスクのデザインが似ていると話題になっている。
- 薄型ヘッドライトや大型ロアグリル、クーペSUV風シルエットなどが共通項として挙げられる。
- しかし、ボディサイズはプロサングエが一回り以上大きく、ドア構成も異なる(プロサングエは観音開き)。
- 類似性の背景には、現代のデザインのトレンドや、機能的要請の影響も考えられる。
- コンセプトは全く異なり、プロサングエは究極性能と実用性を目指すFUV、クラウンスポーツはデザイン・走り重視のパーソナルSUV。
- エンジンもV12自然吸気(プロサングエ)とハイブリッド/PHEV(クラウンスポーツ)で、パフォーマンスレベルは比較にならない。
- 価格帯も数千万円(プロサングエ)と数百万円(クラウンスポーツ)で、文字通り桁違い。
- インテリアの質感やブランドイメージ、歴史的背景も全く異なる。
- デザインの類似性は表面的なものであり、両車はそれぞれ独自の魅力と価値を持つ、全く個性の異なる車である。
- どちらが良い悪いではなく、自分の価値観に合う方を選ぶことが重要。
こんにちは、「似て非なるもの」という言葉が好きな運営者です!今回は、「プロサングエとクラウンスポーツ、似てるよね?」という、ネットで話題のテーマについての記事を最後までお読みいただき、ありがとうございます!
いやー、最初に比較画像を見た時は、私も「え、これマジ!?」って思いましたよ(笑)。特に顔つき!「トヨタさん、ちょっと意識しちゃった?」なんて、うがった見方をしてしまいそうになるくらい、雰囲気が似ていますよね。
でも、こうして詳しく比較してみると、デザインの表面的な類似点以上に、両者の間にはとてつもなく大きな違いがあることがよく分かりました。コンセプト、性能、価格、ブランド…もう、何もかもが違う。例えるなら、超高級イタリアンレストランのフルコースと、おしゃれな創作和食コースくらい違う感じでしょうか?(分かりにくい?笑)
デザインが似てしまったのは、もしかしたら今の時代の流れなのかもしれませんね。SUVが人気で、各社がカッコよさを追求していったら、なんとなく似たような方向に行き着いちゃった、みたいな。
大切なのは、見た目の印象だけで判断しないで、それぞれの車が持つ「本質」を見ることなのかな、と思いました。プロサングエにはプロサングエにしかない凄みと価値があり、クラウンスポーツにはクラウンスポーツにしかない個性と魅力がある。どちらも、それぞれの開発者の情熱が詰まった素晴らしい車なんだと思います。
だから、もしあなたがどちらかの車に興味を持っているなら、「似てるから」という理由で選んだり、あるいは敬遠したりするのではなく、ぜひそれぞれの本質的な価値に目を向けてみてください。
きっと、デザインの類似性なんて些細なことに思えてくるくらい、深い魅力が見つかるはずです。あなたのカーライフが、素敵な一台との出会いで彩られることを願っています!