スタイリッシュなデザインと高い走行性能、そしてレクサスならではの上質さで人気のミドルサイズSUV、レクサスNX。街中でもよく見かけるようになり、多くのオーナーにとって満足度の高い愛車となっていることでしょう。
しかし、その人気の高さゆえに、残念ながらNXは車両盗難のターゲットとして狙われやすい車種の一つにもなっています。ニュースなどでレクサス車(特にNX、RX、LX、ランクルなど)の盗難被害が報じられるのを目にして、ご自身のNXも「もしかしたら狙われるのでは…」と不安を感じているオーナーの方も少なくないのではないでしょうか。
近年の車両盗難の手口は非常に巧妙化しており、メーカー純正のセキュリティシステムだけでは完全に防ぎきれないケースも増えています。大切な愛車を守るためには、最新の盗難手口を理解し、適切な対策を講じることが不可欠です。
この記事では、なぜレクサスNXが盗難されやすいのか、その理由と最新の盗難手口(リレーアタック、CANインベーダーなど)について詳しく解説します。さらに、純正セキュリティの限界を踏まえ、今すぐ自分でできる基本的な防犯対策から、より効果的な後付けカーセキュリティシステムの導入まで、愛車のNXを盗難被害から守るための具体的な方法を、関連キーワードを交えながらご紹介していきます。他人事と思わず、しっかりと対策を行い、安心してNXとのカーライフを送りましょう。
- レクサスNXは人気車種ゆえに車両盗難のリスクが高い
- 主な盗難手口は「リレーアタック」や「CANインベーダー」など巧妙化している
- 純正のセキュリティシステムだけでは防犯対策として不十分な可能性がある
- スマートキーの保管方法、物理的ロック、後付けセキュリティなど複数の対策を組み合わせることが重要
なぜレクサスNXは盗難されやすい?最新の手口と純正セキュリティの限界
- 人気車種の宿命? NXが盗難ターゲットになる理由
- スマートキーの盲点「リレーアタック」の手口と仕組み
- 最恐の盗難手口「CANインベーダー」とは?
- 純正イモビライザーやアラームだけでは不十分?
- レクサス純正の盗難防止機能とその限界
- 狙われやすい状況や場所 自宅駐車場でも油断禁物
人気車種の宿命? NXが盗難ターゲットになる理由

- NXは国内外で人気が高く、中古車市場での需要も高い
- 高価格帯の車両であるため、転売目的の窃盗団に狙われやすい
- ランドクルーザーや他のレクサスSUVと同様に標的とされる傾向
レクサスNXが車両盗難のターゲットになりやすい背景には、いくつかの理由が考えられます。まず、NXが国内外で非常に人気のある車種であることが挙げられます。
デザイン性、走行性能、ブランドイメージなどが高く評価され、新車・中古車ともに需要が高いのです。需要が高いということは、盗難された後に不正なルートで転売されたとしても、買い手がつきやすい、つまり「儲かる」ということを意味します。
特に海外での人気が高い車種は、不正輸出を目的とした窃盗団のターゲットになりやすい傾向があります。
次に、NXがレクサスブランドの車両であり、比較的高価格帯の高級車であるという点です。高価な車両は、それだけ転売時の利益も大きくなるため、窃盗団にとっては魅力的なターゲットとなります。
ランドクルーザーや、同じレクサスブランドのRX、LXといった大型SUVも同様に盗難被害が多いことで知られていますが、NXもこれらの車種と同様に、窃盗団のリストに載っている可能性が高いと考えられます。
さらに、後述するスマートキーシステムの脆弱性を突いた盗難手口の普及も、NXが狙われやすくなった要因の一つです。利便性の高いスマートキーですが、その仕組みが悪用されることで、比較的短時間で、かつ車両に大きな損傷を与えることなく盗難することが可能になってしまったのです。
これらの理由から、レクサスNXのオーナーは、自分の車は常に盗難のリスクに晒されているという意識を持ち、適切な防犯対策を講じることが求められます。
スマートキーの盲点「リレーアタック」の手口と仕組み

- スマートキーが発する微弱な電波を中継(リレー)して悪用する手口
- 離れた場所にあるキーの電波を増幅し、ドアロック解除やエンジン始動を行う
- 自宅内にあるキーでも油断できない
スマートキーの普及に伴い、車両盗難の手口として広く知られるようになったのが「リレーアタック」です。レクサスNXも、当然ながらスマートキーシステムを採用しているため、このリレーアタックの被害に遭う可能性があります。
リレーアタックの仕組みは、スマートキーが常に発している微弱な電波を悪用するものです。通常、この電波は車両の数メートル程度の範囲でしか届きませんが、窃盗団は特殊な受信機と中継器(リレー機)を使って、この電波を不正に増幅・中継します。
例えば、窃盗団の一人が住宅の玄関先や窓際に近づき、家の中に保管されているスマートキーの電波を受信します。その電波を中継器で増幅し、駐車場にいるもう一人の仲間が持つ受信機に送信します。すると、車は「正規のキーが近くにある」と誤認し、ドアのロック解除や、さらにはエンジンの始動まで可能になってしまうのです。
この手口の恐ろしいところは、家の中にキーを保管していても安心できない点、そして、車両に物理的な破壊を加えることなく、比較的短時間で盗難が完了してしまう点です。オーナーが気づいた時には、すでに愛車が持ち去られていた、というケースも少なくありません。
幸い、リレーアタックに対しては、後述する電波遮断ケースなどの対策が有効です。しかし、スマートキーの利便性の裏には、このような脆弱性が存在することを理解しておく必要があります。
最恐の盗難手口「CANインベーダー」とは?

- 車両のCAN(Controller Area Network)システムに不正にアクセスする手口
- バンパー裏などから特殊な機器を接続し、ドアロック解除やエンジン始動を行う
- リレーアタック対策だけでは防げない、より深刻な脅威
リレーアタックと並んで、近年深刻な脅威となっているのが「CAN(キャン)インベーダー」と呼ばれる盗難手口です。これは、車両内部の電子制御ユニット(ECU)同士を繋ぐ通信ネットワークであるCANシステムに、外部から不正にアクセスし、車両を制御してしまうという非常に巧妙かつ悪質な手口です。
窃盗団は、特殊な機器(CANインベーダーと呼ばれるツール)を使用します。このツールを、例えばフロントバンパーの隙間やヘッドライト周辺など、比較的アクセスしやすい場所にあるCAN配線に接続します。
そして、ツールから不正な信号をCANネットワークに送り込むことで、あたかも正規のキーで操作したかのように、ドアのロックを解除したり、セキュリティシステムを無効化したり、さらにはエンジンを始動させたりすることができてしまうのです。
CANインベーダーの恐ろしい点は、スマートキーの電波を必要としないため、リレーアタック対策(電波遮断ケースなど)を行っていても、全く効果がないことです。
また、物理的なキーシリンダーの破壊なども不要なため、比較的短時間で、かつ静かに犯行が行われる可能性があります。このCANインベーダーは、特にトヨタ・レクサス車がターゲットにされやすいと言われており、NXも例外ではありません。
純正のセキュリティシステムだけでは、CANインベーダーによる不正アクセスを防ぐことは困難とされています。
そのため、現在では、リレーアタック対策と合わせて、CANインベーダーへの対策も必須と考えられています。後付けのカーセキュリティシステムの中には、このCANインベーダー対策に特化したものも登場しています。
純正イモビライザーやアラームだけでは不十分?

- イモビライザーは正規のキー以外でのエンジン始動を防ぐ機能
- 純正アラームは不正なドア開け等で警報を鳴らす
- しかし、リレーアタックやCANインベーダーで無効化される可能性
レクサスNXには、もちろんメーカー純正の盗難防止機能として、イモビライザーシステムやオートアラームなどが標準で装備されています。
イモビライザーは、キーに埋め込まれた電子チップのIDコードと、車両側のIDコードが一致しない限り、エンジンを始動できないようにするシステムです。これにより、合鍵などを使った不正なエンジン始動を防ぐことができます。
オートアラームは、不正なドアのこじ開けや、車内への侵入などを検知すると、ホーンやハザードランプで警報を発するシステムです。これらの純正セキュリティ機能は、一定の盗難抑止効果は期待できます。
しかし、近年の巧妙化した盗難手口の前では、残念ながら万全とは言えなくなっています。
例えば、リレーアタックでは、正規のキーの電波を中継するため、イモビライザーシステムは正規のキーが使われたと誤認し、エンジン始動を許可してしまいます。また、CANインベーダーを使われると、イモビライザーやアラームシステム自体が不正な信号によって無効化されてしまう可能性があります。
つまり、純正のセキュリティシステムは、窃盗団にとっては「破られること」を前提とした対策でしかない、と考えるべきなのかもしれません。
もちろん、何もしないよりは遥かにマシですが、NXのような盗難リスクの高い車種においては、純正セキュリティだけに頼るのではなく、さらに追加の対策を講じることが、愛車を守るためには不可欠と言えるでしょう。
レクサス純正の盗難防止機能とその限界

- オートアラーム、イモビライザー、侵入センサーなどを標準装備
- 指紋認証スタートスイッチ(一部グレード・オプション)なども存在
- しかし、最新の盗難手口には対応しきれない側面も
レクサスNXに標準装備されている、あるいはオプションで選択可能な純正の盗難防止機能には、どのようなものがあるのでしょうか。
まず、前述したオートアラーム(不正なドア開けや侵入を検知して警報)とイモビライザーシステム(正規キー以外でのエンジン始動不可)が基本となります。これに加えて、車内への不審な動きを検知する侵入センサーや、車体の傾きを検知する傾斜センサーなどが組み合わされている場合もあります。
また、一部の上位グレードやメーカーオプションでは、登録した指紋でなければエンジンを始動できない「指紋認証スタートスイッチ」なども用意されています。これらの機能は、従来の盗難手口に対しては一定の効果を発揮します。
しかし、問題は、窃盗団の手口も日々進化しているという点です。リレーアタックやCANインベーダーといった、車両の電子システムそのものを攻略する手口に対しては、これらの純正機能だけでは対抗しきれないのが現状です。
例えば、指紋認証スタートスイッチも、CANインベーダーによってエンジン始動の信号自体を偽装されてしまえば、意味をなさなくなる可能性があります。
レクサス(トヨタ)側も、もちろん対策を進めており、年次改良などでセキュリティ機能のアップデートを行っています。しかし、窃盗団との「いたちごっこ」になっている側面は否めません。
したがって、純正の盗難防止機能はあくまで基本的な防御ラインと考え、それだけでは安心せず、プラスアルファの対策を施すことが、NXオーナーにとっての自己防衛策となるのです。
狙われやすい状況や場所 自 ?駐車場でも油断禁物

- 深夜から早朝にかけての人目につきにくい時間帯
- コインパーキングや月極駐車場、路上駐車
- 照明が少ない、防犯カメラがないなど、セキュリティの甘い自宅駐車場も危険
レクサスNXの盗難は、どのような状況や場所で発生しやすいのでしょうか。一般的に、車両盗難は人目につきにくい深夜から早朝にかけての時間帯に発生するケースが多いと言われています。駐車場所としては、コインパーキングや月極駐車場、あるいは短時間の路上駐車なども危険性が高い場所です。
これらの場所は、不特定多数の人が出入りしやすく、監視の目も行き届きにくいため、窃盗団にとっては犯行に及びやすい環境と言えます。
しかし、最も注意が必要なのは、実は「自宅の駐車場」なのです。警察庁の統計などを見ても、車両盗難の発生場所として最も多いのは自宅(屋外駐車場やカーポートなど)となっています。「自宅だから安心」という油断が、被害を招く原因となることがあります。
特に、以下のような自宅駐車場は注意が必要です。
- 道路から駐車場が見えやすい、あるいは侵入しやすい。
- 夜間に照明が少なく、暗がりになっている。
- 防犯カメラやセンサーライトなどの防犯設備がない。
- スマートキーを玄関先など、窓に近い場所に保管している(リレーアタックのリスク)。
窃盗団は、事前にターゲットとする車両や駐車場の状況を下見している場合が多いと言われています。セキュリティ対策が甘いと判断されると、狙われるリスクは格段に高まります。
外出先だけでなく、自宅の駐車場においても、常に防犯意識を持ち、適切な対策を講じることが、愛車NXを盗難から守るためには非常に重要です。
愛車のNXを盗難から守る!今すぐできる有効な対策とおすすめグッズ
- 基本的な対策① スマートキーの保管方法(電波遮断ケース)
- 基本的な対策② 物理的な抑止力(ハンドルロック、タイヤロック)
- 基本的な対策③ 駐車環境の見直し(防犯カメラ、センサーライト)
- 後付けカーセキュリティ① イモビライザー強化(IGLAなど)
- 後付けカーセキュリティ② GPS追跡システム
- 信頼できるカーセキュリティ専門店の選び方と取付費用
- まとめ:複数の対策を組み合わせてNXを盗難から守る
基本的な対策① スマートキーの保管方法(電波遮断ケース)

- リレーアタック対策として最も手軽で効果的な方法の一つ
- スマートキーを電波遮断機能のあるケースやポーチに入れる
- 金属製の缶などでも代用可能だが、効果の確認が必要
レクサスNXの盗難対策として、まず最初に行うべき、かつ非常に効果的なのが「スマートキーの適切な保管」です。これは、主にリレーアタックを防ぐための対策となります。
スマートキーは、常に微弱な電波を発信しています。リレーアタックは、この電波を不正に中継することで行われるため、キーから発信される電波を遮断してしまえば、原理的にリレーアタックを防ぐことができます。
最も手軽な方法は、市販されている「電波遮断ケース」や「電波遮断ポーチ」(リレーアタック防止ケース/ポーチなどとも呼ばれる)を使用することです。
これらの製品は、内部に特殊な素材が使われており、スマートキーを入れるだけで外部への電波の漏洩を防いでくれます。自宅にいる間はもちろん、外出先でも、使用しないスマートキーはこのケースやポーチに入れて保管することを習慣づけましょう。
スペアキーも同様に保管することが重要です。電波遮断ケースやポーチは、カー用品店やインターネット通販などで、比較的手頃な価格で購入できます。
また、金属製の缶(お菓子の缶など)にスマートキーを入れて保管することでも、ある程度の電波遮断効果が期待できると言われています。
ただし、缶の種類や密閉度によって効果は異なるため、実際にキーを入れた状態で車のドアが開かないかなどを確認する必要があります。より確実な効果を求めるなら、専用の電波遮断ケースやポーチを使用するのがおすすめです。
この簡単な対策だけでも、リレーアタックによる盗難リスクを大幅に減らすことができます。NXオーナーなら必須の対策と言えるでしょう。
基本的な対策② 物理的な抑止力(ハンドルロック、タイヤロック)

- 視覚的な防犯効果が高く、窃盗団に「面倒だ」と思わせる
- ハンドルロックはステアリング操作を物理的に不可能にする
- タイヤロックはタイヤを固定し、車両の移動を防ぐ
スマートキーの電波対策と合わせて行いたいのが、物理的な盗難防止対策です。たとえ電子的なシステムを突破されたとしても、物理的に車を動かせなくすることで、盗難を困難にし、犯行を諦めさせる効果が期待できます。
代表的な物理的対策グッズが「ハンドルロック(ステアリングロック)」です。これは、ステアリングホイールに取り付けて、物理的に回転できないようにする器具です。様々なタイプがありますが、頑丈な金属製で、破壊されにくい構造のものを選ぶことが重要です。
ハンドルロックは、車外からでも装着されていることが視認できるため、「この車は対策されているな」「盗むのに時間がかかりそうだ」と窃盗団に思わせる視覚的な抑止効果も高いと言われています。
もう一つ有効なのが「タイヤロック」です。これは、タイヤとホイールを固定し、車両が物理的に移動できないようにする器具です。こちらもハンドルロックと同様に、装着されていることが外から見て分かりやすいため、高い視覚的抑止効果があります。
特に、長期間車を動かさない場合などに有効です。これらの物理的な対策は、設置や解除に多少の手間はかかりますが、比較的安価に導入でき、かつ視覚的な効果が高いというメリットがあります。ただし、プロの窃盗団にかかれば、時間をかければ破壊されてしまう可能性もゼロではありません。
そのため、物理的な対策だけに頼るのではなく、後述する電子的なセキュリティシステムなどと組み合わせて、多重的な防御を構築することが理想的です。
基本的な対策③ 駐車環境の見直し(防犯カメラ、センサーライト)

- 自宅駐車場が最も狙われやすい場所であることを認識する
- 防犯カメラの設置で犯行の抑止と証拠撮影
- センサーライトで夜間の視認性を高め、不審者を威嚇
愛車NXを盗難から守るためには、車両本体への対策だけでなく、「駐車環境」を見直すことも非常に重要です。前述の通り、車両盗難は自宅の駐車場で発生するケースが最も多いからです。
まず有効なのが、「防犯カメラ」の設置です。駐車場やその周辺に防犯カメラを設置することで、窃盗団に「見られている」という意識を与え、犯行を躊躇させる抑止効果が期待できます。また、万が一被害に遭ってしまった場合でも、犯行の様子や犯人の姿を記録した映像が、有力な証拠となる可能性があります。
最近では、比較的安価で設置でき、スマートフォンで映像を確認できるタイプの防犯カメラも増えています。
次に、「センサーライト」の設置も効果的です。人の動きを感知して自動で点灯するセンサーライトを駐車場に設置すれば、夜間に不審者が近づいた際に、周囲を明るく照らしてその存在を知らせるとともに、相手を威嚇する効果があります。窃盗団は暗がりを好むため、明るく照らされることを嫌います。
これらの防犯設備に加えて、駐車場の見通しを良くしたり、簡単に侵入できないようにフェンスなどを設置したりすることも有効です。
また、近隣住民とのコミュニケーションを密にし、地域全体で防犯意識を高めることも大切です。「自分の家は大丈夫」と油断せず、できる範囲で駐車環境のセキュリティレベルを高める努力をすることが、NXを盗難リスクから遠ざけることにつながります。
後付けカーセキュリティ① イモビライザー強化(IGLAなど)

- CANインベーダー対策として非常に有効なデジタルイモビライザー
- IGLA(イグラ)などが代表的な製品
- 正規の認証(PINコード入力など)がなければエンジン始動を完全にブロック
純正セキュリティの限界、特にCANインベーダーのような巧妙な手口に対抗するために、近年注目されているのが「後付けのカーセキュリティシステム」です。その中でも、CANインベーダー対策として非常に効果が高いとされているのが、「デジタルイモビライザー」と呼ばれる製品群です。
代表的な製品として、AUTHOR ALARM社の「IGLA(イグラ)」などが挙げられます。IGLAは、車両のCAN通信システムに直接介入し、エンジン始動を制御するデジタルなイモビライザーです。
その最大の特徴は、たとえ純正のスマートキーを持っていたとしても、あるいはCANインベーダーで不正なエンジン始動信号が送られたとしても、あらかじめ設定された正規の認証(例えば、車両の純正ボタンを使ったPINコードの入力や、専用のキーフォブ(小型認証キー)の所持など)が行われない限り、物理的にエンジン始動を不可能にする点にあります。
窃盗団がCANインベーダーでドアロックを解除し、車内に乗り込んでエンジンをかけようとしても、正規の認証手順を知らなければ、絶対にエンジンをかけることができません。
また、IGLA本体は非常に小型で、車両の配線に紛れ込ませて設置するため、外部からその存在を特定されにくいというメリットもあります。
この種のデジタルイモビライザーは、CANインベーダーによる盗難に対して、現状最も有効な対策の一つと考えられています。
ただし、取り付けには専門的な知識と技術が必要となるため、信頼できるカーセキュリティ専門店に依頼する必要があります。費用も比較的高額になりますが、愛車NXを確実に守りたいと考えるなら、導入を検討する価値は非常に高いと言えるでしょう。
後付けカーセキュリティ② GPS追跡システム

- 万が一盗難された場合に、車両の位置情報を追跡できる
- スマートフォンアプリなどでリアルタイムに現在地を確認可能
- 車両の早期発見、回収につながる可能性を高める
様々な盗難対策を講じても、残念ながら100%被害を防げるとは限りません。そこで、万が一盗難されてしまった場合に備えて有効なのが、「GPS追跡システム」の導入です。GPS追跡システムは、車両に小型のGPS端末を取り付けておき、その端末が発信する位置情報を利用して、車両の現在地を特定するシステムです。
多くの製品では、スマートフォンの専用アプリなどを使って、リアルタイムで車両の位置を確認することができます。
もし愛車NXが盗難された場合でも、このシステムがあれば、車両がどこにあるのかを追跡し、警察と連携して早期に発見・回収できる可能性が高まります。
製品によっては、あらかじめ設定したエリアから車両が移動した場合や、一定以上の振動を検知した場合などに、スマートフォンに通知を送る機能が付いているものもあります。
これにより、盗難の発生を早期に察知し、迅速に対応することも可能です。GPS追跡端末は、窃盗団に見つかりにくい場所に隠して設置することが重要です。また、端末のバッテリーが切れてしまうと追跡できなくなるため、バッテリーの持続時間や、車両バッテリーから給電するタイプかどうかなども、製品選びのポイントとなります。
GPS追跡システムは、盗難を直接防ぐものではありませんが、被害に遭ってしまった後の「最後の砦」として、非常に心強い存在となります。
他の盗難防止対策と組み合わせて導入することで、より総合的なセキュリティ体制を構築することができます。
信頼できるカーセキュリティ専門店の選び方と取付費用

- カーセキュリティ製品の効果は、確実な取り付け技術があってこそ
- 豊富な知識と経験、高い技術力を持つ専門店を選ぶ
- 施工実績や評判、アフターサポート体制などを確認
ハンドルロックや電波遮断ケースのような自分でできる対策とは異なり、IGLAのようなデジタルイモビライザーや、本格的なカーアラーム、GPS追跡システムといった後付けカーセキュリティ製品は、その効果を最大限に発揮するために、専門的な知識と技術を持ったプロによる確実な取り付け作業が不可欠です。
どこに取り付けを依頼するか、つまり「信頼できるカーセキュリティ専門店」を選ぶことが非常に重要になります。良い専門店を選ぶポイントとしては、まず「豊富な知識と経験」があることです。最新の盗難手口や、レクサスNXのような車種特有の構造、そして様々なセキュリティ製品の特性を熟知している必要があります。
次に、「高い技術力」です。配線作業などを丁寧かつ確実に行い、セキュリティシステムの機能を損なうことなく、また車両にダメージを与えないような、質の高い取り付けができる技術力が求められます。見えない部分への配線の隠蔽なども、プロならではの技術です。
お店選びの際には、まずウェブサイトなどで施工実績(特にNXへの取り付け実績)や、顧客からの評判(口コミなど)を確認しましょう。
実際に店舗に相談に行き、スタッフの説明の分かりやすさや、親身になって相談に乗ってくれるか、こちらの要望や予算に合った最適なプランを提案してくれるかなども判断材料になります。
また、取り付け後のアフターサポート体制(保証内容や、万が一のトラブル時の対応など)もしっかりと確認しておくことが大切です。
取付費用は、選択する製品や車種、施工内容によって大きく異なりますが、IGLAのようなデジタルイモビライザーであれば、工賃込みで10万円前後から、複数の機能を組み合わせたシステムになると数十万円になる場合もあります。安さだけで選ばず、技術力と信頼性で選ぶようにしましょう。
まとめ:複数の対策を組み合わせてNXを盗難から守る

- レクサスNXは人気車種のため盗難リスクが高く、対策は必須。
- 盗難手口は巧妙化しており、リレーアタックやCANインベーダーが主流。
- 純正セキュリティ(イモビライザー、アラーム)だけでは不十分な可能性が高い。
- 対策①:スマートキーの電波遮断(ケース、ポーチ)でリレーアタックを防ぐ。
- 対策②:ハンドルロックやタイヤロックで物理的に盗難を困難にする(視覚的抑止効果も)。
- 対策③:駐車環境の見直し(防犯カメラ、センサーライト設置など)でリスクを低減。
- 対策④:後付けデジタルイモビライザー(IGLA等)でCANインベーダーに対抗。
- 対策⑤:GPS追跡システムで、万が一盗難された場合の早期発見・回収を目指す。
- 後付けセキュリティは、信頼できる専門店での確実な取り付けが重要。
- 単一の対策に頼らず、複数の対策を組み合わせる「多重防御」が最も効果的。
- 常に防犯意識を持ち、油断しないことが愛車を守るための基本。
こんにちは、愛車のセキュリティには人一倍気を使っている運営者です。今回も、大切な愛車を守るための情報に最後まで目を通していただき、本当にありがとうございます!
レクサスNX、本当に素敵な車ですよね。だからこそ、「盗難」なんて絶対に遭いたくない!この記事を読んで、改めてそのリスクの高さと、対策の重要性を感じていただけたのではないでしょうか。特にCANインベーダーなんて、聞いているだけでゾッとするような手口です…。
「純正セキュリティがあるから大丈夫」…残念ながら、今の時代、そうは言えなくなってきているのが現実です。窃盗団の手口は、私たちが思っている以上に巧妙で、日々進化しています。だからこそ、私たちオーナー自身が、しっかりと知識を身につけ、できる限りの対策を講じることが求められています。
この記事では、色々な対策をご紹介しましたが、「これをやっておけば絶対に大丈夫!」という万能薬はありません。大切なのは、「複数の対策を組み合わせる」ということです。
例えば、スマートキーは電波遮断ケースに入れる、駐車時にはハンドルロックも併用する、そして可能であればIGLAのようなデジタルイモビライザーも導入する…といった具合に、いくつかの防御策を重ねることで、窃盗団に「この車は面倒だ」「時間がかかりそうだ」と思わせ、犯行を諦めさせることが狙いです。
もちろん、対策には費用も手間もかかります。でも、愛車がある日突然なくなってしまう悲しみや、その後の手続きの手間、そして金銭的な損失を考えれば、防犯対策への投資は決して無駄にはならないはずです。
「自分だけは大丈夫」とは思わず、ぜひ今日からできる対策を始めてみてください。そして、常に「見られているかもしれない」という意識を持つこと。それが、愛車NXを盗難から守るための第一歩だと私は信じています。
あなたのNXが、これからも安全でありますように!