日産が世界に誇るフラッグシップSUV、パトロール。そのルーツは古く、日本ではかつて「サファリ」の名で親しまれた、ランドクルーザーと並び称される本格クロスカントリー車です。
現行モデル(Y62型など)は、中東や北米、オーストラリアといった海外市場を中心に販売されており、その圧倒的な存在感、パワフルなV8エンジン、そして豪華な内装で、富裕層や本格オフロードファンから絶大な支持を得ています。
しかし、残念ながら現在の日本では正規販売されていません。「あの迫力あるパトロールに日本で乗りたい!」「他の人とは違う、特別なSUVが欲しい!」そう考える熱心なファンにとって、唯一の選択肢となるのが「逆輸入」という方法です。
海外で販売されているパトロールを、専門の業者などを通じて日本に輸入し、登録して乗る。まさに究極のこだわりであり、ロマンあふれる選択と言えるでしょう。
しかし、逆輸入車の購入・維持には、多くのハードルと注意点が存在します。価格はいくらくらいかかるのか?維持費は?車検や整備はどうするのか?保証は?
この記事では、そんな日産パトロールの逆輸入に関心のある方に向けて、パトロールという車の魅力から、逆輸入車の購入方法、費用、そして購入後の維持に関する注意点やリスクまで詳しく解説していきます。憧れのパトロールを日本で手に入れるためのリアルな情報をお届けします。
- 日産パトロールは日本では正規販売されておらず、入手方法は逆輸入のみ
- 圧倒的な存在感、パワフルなV8エンジン、豪華な内装、高い悪路走破性が魅力
- 逆輸入には高額な費用(車両価格+輸入諸経費)がかかり、納期も長い
- 維持費(税金、燃費、保険)、整備・部品調達、保証がない点など、多くの注意点とリスクがある
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日本未発売の巨人!日産パトロール(逆輸入車)の魅力とは?
- 日産パトロールってどんな車? 海外での立ち位置と歴史(サファリとの関係)
- 圧倒的な存在感! 大型ボディと力強いデザイン
- パワフルなV8エンジンが生む余裕の走り
- 豪華で広々としたインテリア(内装)
- 高い悪路走破性と信頼性
- NISMOバージョンの存在 スポーティな魅力
日産パトロールってどんな車? 海外での立ち位置と歴史(サファリとの関係)
- 日産の最上級SUVであり、ランドクルーザーのライバル
- 日本では「サファリ」として販売されていた時期もある長い歴史を持つ
- 中東や北米、豪州などで高い人気と信頼を得ている
まず、日産パトロールがどのような車なのか、その概要と歴史、そして海外での立ち位置について知っておきましょう。
パトロールは、日産自動車が製造・販売する大型のSUV(スポーツ・ユーティリティ・ビークル)であり、その歴史は古く、初代モデルは1951年に登場しました。
これは、トヨタのランドクルーザーとほぼ同時期であり、両者は長年にわたり、日本の、そして世界の本格クロスカントリー車の代表格として、互いに競い合ってきたライバル関係にあります。
日本では、3代目(160型)から5代目(Y61型)までが「サファリ」という名称で販売されていました。
特にY60型やY61型のサファリは、その堅牢な作りと高い悪路走破性から、現在でも熱心なファンを持つ名車として知られています。
しかし、残念ながら日本国内でのサファリ(パトロール)の正規販売は2007年に終了しました。
一方で、海外市場、特に中東地域やオーストラリア、北米(北米では「アルマーダ」として販売される場合もあるが、パトロールベース)などでは、パトロールは日産のフラッグシップSUVとして、非常に高い人気と信頼性を誇っています。
その広々とした室内空間、豪華な装備、パワフルなエンジン、そして過酷な環境下でも耐えうるタフネスさが、現地の富裕層や政府機関などに高く評価されているのです。
現行モデル(Y62型など)は、従来のラダーフレーム構造を踏襲しつつも、よりモダンで豪華な内外装と、オンロードでの快適性を高めた、高級SUVとしての性格を強めています。
このように、パトロールは、日本では馴染みが薄くなってしまいましたが、世界に目を向ければ、ランドクルーザーと肩を並べる、日産が誇る本格・高級SUVなのです。
圧倒的な存在感! 大型ボディと力強いデザイン
- 全長5m超、全幅2m近い、堂々たる大型ボディサイズ
- 力強さと高級感を兼ね備えた、押し出しの強いエクステリアデザイン
- 日本の道路では、その大きさが際立ち、圧倒的な存在感を放つ
逆輸入される日産パトロール(主に現行Y62型)の大きな魅力の一つが、その「圧倒的な存在感」です。
これは、まずその堂々たるボディサイズから生まれます。
現行パトロールのサイズは、全長が約5,175mm~5,300mm超(仕様による)、全幅が約1,995mm~2,000mm超と、日本の道路環境においては、まさに「巨人」とも言える大きさです。
ランクル300やレクサスLXと比較しても、同等かそれ以上の迫力を持っています。
この大きなボディを活かしたエクステリアデザインも、力強さと高級感を兼ね備えています。
大型のフロントグリル(Vモーショングリル)や、存在感のあるヘッドライト、そしてスクエアで厚みのあるボディパネルが、威風堂々とした佇まいを演出。
サイドビューも、伸びやかで安定感があり、リアデザインもワイド感を強調した、重厚感のある仕上がりとなっています。
メッキパーツなども効果的に使われ、日産の最上級SUVとしての風格を漂わせています。
この大きなボディと押し出しの強いデザインが組み合わさることで、日本の街中を走れば、否が応でも周囲の視線を集める、圧倒的な存在感を放ちます。
「他の人とは違う、特別な車に乗りたい」「とにかく目立ちたい」と考えるオーナーにとって、この存在感は大きな魅力となるでしょう。
ただし、この大きさゆえに、運転や駐車には相当な注意と慣れが必要となることは、言うまでもありません。
パワフルなV8エンジンが生む余裕の走り
- 大排気量のV型8気筒ガソリンエンジン(VK56VDなど)を搭載
- 最高出力400馬力超えも。余裕のあるパワーとトルク
- 巨体を軽々と加速させ、高速巡航も快適
日産パトロールの魅力は、見た目の迫力だけではありません。
その大きなボディを動かす心臓部、つまりエンジンも非常にパワフルです。
現行パトロール(Y62型)には、主に「VK56VD」と呼ばれる、5.6L V型8気筒の自然吸気ガソリンエンジンが搭載されています。
このエンジンは、最高出力が400馬力以上、最大トルクも560Nm以上という、非常に強力なスペックを誇ります。
(NISMOバージョンではさらに高出力化されています)。
この大排気量V8エンジンが生み出す、余裕のあるパワーとトルクが、パトロールの走りの大きな魅力となっています。
2.5トンを超えることもある重い車体を、まるで軽々と感じさせるかのように、スムーズかつ力強く加速させます。
アクセルを踏み込めば、V8エンジンならではの心地よいサウンドと共に、ストレスのない加速フィールを味わうことができます。
高速道路での巡航も非常に快適です。
エンジン回転数を低く保ったまま、静かに、そして安定して走り続けることができます。
追い越し加速なども、アクセルを少し踏み足すだけで、余裕をもってこなすことができます。
近年、ダウンサイジングターボやハイブリッドが主流となる中で、このような大排気量の自然吸気V8エンジンを搭載するモデルは、ますます希少な存在となっています。
このパワフルで余裕のある走り、そしてV8ならではのフィーリングに魅力を感じて、あえて逆輸入のパトロールを選ぶ、という人も少なくないでしょう。
(ただし、燃費性能については期待できません)。
豪華で広々としたインテリア(内装)
- 広大な室内空間、特に2列目・3列目シートの居住性が高い
- 上質なレザーやウッドパネルなど、高級感あふれる素材を使用
- 快適装備も充実し、長距離移動も快適
日産パトロールは、エクステリアの迫力に負けないくらい、インテリア(内装)も豪華で広々としています。
日産の最上級SUVとして、乗員をもてなすための空間づくりに力が入れられています。
まず、その「広さ」です。
大きなボディサイズを活かし、室内空間は非常にゆとりがあります。
特に、2列目シートは足元も頭上も広々としており、大人が快適にくつろげるスペースが確保されています。
多くのモデルで3列シート仕様となっており、3列目シートも、他の国産ミニバンなどと比較しても、比較的実用的なスペースを持っているようです。
次に、「質感の高さ」です。
ダッシュボードやドアトリムには、ソフトパッドやステッチがふんだんに使われ、シートには上質なレザーが採用されています(グレードによる)。
また、ウッドパネルや金属調加飾なども効果的に配置され、高級感と落ち着きのある雰囲気を演出しています。
作り込みも丁寧で、日産の最上級モデルとしての品質の高さを感じさせます。
さらに、「快適装備」も充実しています。
大型のセンターディスプレイを備えたナビゲーションシステム、高性能なオーディオシステム(BOSEサウンドなど)、左右独立温度調整式エアコン、シートヒーター&ベンチレーション、後席用モニターなど、長距離ドライブを快適にするための装備が満載です。
この広々として豪華、そして快適なインテリア空間も、パトロールの大きな魅力の一つ。
家族や友人を乗せての旅行などでも、全員がリラックスして移動時間を楽しめる、まさに走る応接室のような空間を提供してくれます。
高い悪路走破性と信頼性
- 伝統のラダーフレーム構造と、高性能な4WDシステムを採用
- 悪路や砂漠など、過酷な環境下でも高い走破性を発揮
- 世界中で認められた、ランドクルーザーに匹敵する信頼性・耐久性
日産パトロールは、豪華な内外装を持つ一方で、そのルーツである本格クロスカントリー車としての「高い悪路走破性」と「信頼性」もしっかりと受け継いでいます。
まず、基本骨格には、伝統的に「ラダーフレーム構造」が採用されています。
これは、非常に頑丈で耐久性が高く、悪路走行時の大きな衝撃やねじれにも耐えうる構造です。
この頑丈なフレームが、パトロールのタフネスさを支える基盤となっています。
そして、路面に駆動力を確実に伝えるための、高性能な4WDシステムも搭載されています。
多くのモデルで、電子制御式のフルタイム4WDシステムや、路面状況に応じて駆動モードを選択できるテレインレスポンスシステムなどが採用されており、泥道、砂地、岩場、雪道といった様々な悪路や、滑りやすい路面においても、高い走破性と安定性を発揮します。
さらに、長年にわたり世界中の過酷な環境下で使用されてきた実績が、パトロールの「高い信頼性」と「耐久性」を証明しています。
特に、インフラが未整備な地域や、砂漠地帯などが広がる中東などでは、ランドクルーザーと並んで、その壊れにくさと走破性が絶大な信頼を得ています。
日本で逆輸入車として乗る場合、その本格的なオフロード性能を試す機会は少ないかもしれません。
しかし、いざという時に頼りになる走破性と、過酷な状況にも耐えうるタフネスさ、そして長年培われてきた信頼性は、オーナーにとって大きな安心感と、所有する誇りを与えてくれるでしょう。
NISMOバージョンの存在 スポーティな魅力
- 日産のモータースポーツ部門NISMOが手掛けた高性能モデル
- 専用の内外装デザインと、チューニングされたエンジン・足回り
- 標準モデルとは一線を画す、スポーティで特別な存在
日産パトロールには、標準モデルに加えて、さらに特別な高性能バージョンとして「NISMO(ニスモ)」モデルが存在します。
これは、日産のモータースポーツ活動を担うNISMOが、その技術とノウハウを注ぎ込んで開発した、特別なパトロールです。
まず目を引くのが、専用の内外装デザインです。
エクステリアでは、NISMO専用デザインのフロントバンパー、リアバンパー、サイドシルプロテクター、ルーフスポイラーなどが装着され、よりアグレッシブでスポーティなスタイリングとなっています。
赤いアクセントラインや、大径の専用アルミホイールも、NISMOモデルならではの特徴です。
インテリアにも、専用のスポーツシートや、アルカンターラを使用したステアリングホイール、カーボン調パネルなどが採用され、レーシーな雰囲気を高めています。
見た目だけでなく、走りも強化されています。
搭載される5.6L V8エンジンは、NISMOによる専用チューニングが施され、標準モデルよりもさらに高出力化されています。
また、サスペンションやブレーキシステムも強化され、大型SUVでありながら、よりダイレクトでスポーティなハンドリング性能と、高い制動性能を実現しています。
このパトロールNISMOは、標準モデルが持つ豪華さや快適性に加えて、NISMOならではのスポーティな魅力と、圧倒的なパフォーマンスを融合させた、まさに特別な存在です。
中東市場などで特に人気が高いようですが、もし逆輸入で手に入れることができれば、その希少性と相まって、注目度は抜群でしょう。
ただし、価格は標準モデルよりもさらに高額になり、入手難易度もより一層高くなります。
憧れのパトロールを手に入れる!逆輸入車の購入方法と注意点
- 逆輸入車とは? 購入の基本的な流れ
- どこで買える? 信頼できる逆輸入車販売店・専門店の選び方
- 気になる価格は? 新車・中古車の費用相場と諸費用
- 維持費は覚悟が必要! 税金・燃費・車検・保険
- 最大の難関? 整備・メンテナンスと部品調達の問題
- 保証は期待できない? 逆輸入車のリスクと注意点
- まとめ:日産パトロール逆輸入はロマン? それとも…
逆輸入車とは? 購入の基本的な流れ
- 海外で販売されている車を、日本国内で登録して乗ること
- 専門の輸入業者や販売店を通じて購入するのが一般的
- 輸入手続き、排ガス検査、登録など、多くのプロセスが必要
まず、「逆輸入車」とは何か、そして購入の基本的な流れについて理解しておきましょう。
逆輸入車とは、その名の通り、元々は日本メーカーが海外市場向けに生産・販売している車を、日本国内に輸入して登録し、乗れるようにした車のことを指します。
日産パトロールのように、日本では正規販売されていないモデルや、あるいは海外仕様の特別なグレードなどを手に入れるための方法です。
逆輸入車の購入は、個人で行うことも不可能ではありませんが、輸入に関する法規、通関手続き、排ガス検査・加速騒音検査などの国内基準への適合、そして登録手続きなど、非常に複雑で専門的な知識と多くの手間が必要となります。
そのため、一般的には、逆輸入車を専門に扱っている輸入業者や、販売店を通じて購入するのが現実的です。
購入の基本的な流れとしては、まず信頼できる逆輸入車販売店を探し、希望する車種(パトロール)、年式、グレード、仕様などを伝えて相談します。
販売店は、海外のネットワークなどを駆使して、希望に合う車両を探してくれます(新車の場合も、中古車の場合もあります)。
車両が見つかり、価格や条件に合意すれば、契約となります。
その後、販売店が車両の輸入手続き、各種検査、そして国内での登録手続きなどを代行してくれます。
これらのプロセスには、数ヶ月以上の時間がかかるのが一般的です。
全てのプロセスが完了し、ナンバープレートが取得できれば、晴れて納車となります。
このように、逆輸入車の購入は、通常の国産車購入とは異なり、多くの時間と手間、そして専門的な手続きが必要となるのです。
どこで買える? 信頼できる逆輸入車販売店・専門店の選び方
- 逆輸入車を専門に扱っている販売店や、輸入代行業者を探す
- パトロールの輸入・販売実績が豊富なお店を選ぶのが安心
- 契約内容、諸費用、納車までの期間、アフターサービスなどをしっかり確認
日産パトロールのような逆輸入車を購入する場合、最も重要なのが「どこで買うか」、つまり信頼できる販売店(または輸入代行業者)を見つけることです。
逆輸入車の販売は、専門的な知識と経験、そして海外とのネットワークが必要となるため、どこの中古車店でも扱っているわけではありません。
まずは、インターネットなどで、「逆輸入車 専門店」「日産パトロール 輸入」といったキーワードで検索し、専門的に逆輸入車を取り扱っている販売店を探しましょう。
その際には、特に日産パトロールの輸入・販売実績が豊富なお店を選ぶのがポイントです。
実績のあるお店であれば、車両の特性や注意点、輸入手続き、そして購入後のメンテナンスなどについても詳しいはずです。
お店のウェブサイトやブログなどで、過去の販売実績や顧客の声などを確認してみましょう。
気になるお店が見つかったら、実際に問い合わせて、スタッフの対応や知識レベルを確認します。
こちらの質問に対して丁寧に、かつ的確に答えてくれるか、リスクやデメリットについても正直に説明してくれるかどうかが、信頼性を見極める上で重要です。
契約前には、必ず見積もりを取得し、車両本体価格以外に必要な諸費用(輸入代行手数料、輸送費、各種検査費用、登録費用など)の内訳を明確にしてもらいましょう。
また、納車までの期間の目安や、購入後のメンテナンス・修理の相談に乗ってもらえるか、部品の取り寄せは可能か、といったアフターサービスについても、しっかりと確認しておく必要があります。
逆輸入車の購入は、通常の車購入以上に販売店との信頼関係が重要になります。焦らず、慎重に、安心して任せられるお店を選びましょう。
気になる価格は? 新車・中古車の費用相場と諸費用
- 車両本体価格に加え、輸入諸経費(輸送費、関税、検査費等)が高額になる
- 新車の場合、1000万円を超えることが予想される
- 中古車も、年式や状態によっては高額になる可能性
憧れの日産パトロールを逆輸入で購入する場合、最も気になるのが「価格」でしょう。
一体どれくらいの費用がかかるのでしょうか?
まず、大前提として、逆輸入車は通常の国産車や正規輸入車と比較して、価格が大幅に高くなることを覚悟しなければなりません。
その理由は、海外での車両本体価格に加えて、日本までの輸送費、関税(車種による)、消費税、そして排ガス検査や加速騒音検査といった国内基準への適合費用、登録諸費用、さらに輸入代行業者への手数料など、様々な「輸入諸経費」が上乗せされるためです。
新車で現行パトロールを逆輸入する場合、その総額は、選択するグレードやオプション、そして為替レートなどによって大きく変動しますが、一般的には1000万円を超える、あるいは1500万円近くになることも十分に考えられます。
これは、レクサスLXやランドクルーザー300の最上級グレードをも上回る価格帯です。
中古車を逆輸入する場合でも、状況は大きく変わりません。
海外でも人気の高い車種であるため、程度の良い中古車はそれなりの価格で取引されています。
それに輸入諸経費が加わるため、年式や走行距離によっては、中古車であってもかなりの高額になる可能性があります。
特に、円安が進んでいる状況下では、輸入にかかる費用はさらに上昇します。
このように、日産パトロールを逆輸入で手に入れるには、車両そのものの魅力だけでなく、この高額な費用を負担できるだけの、相当な経済力が求められるのです。
購入を検討する際には、必ず信頼できる販売店に詳細な見積もりを依頼し、総額でいくらかかるのかを正確に把握する必要があります。
維持費は覚悟が必要! 税金・燃費・車検・保険
- 大排気量V8エンジンのため、自動車税や燃料代(燃費)が高額
- 車検は国内基準に合わせるための整備が必要になる場合も
- 任意保険(特に車両保険)の加入が難しい、または高額になる可能性
高額な購入費用に加えて、逆輸入の日産パトロールを所有し続けるためには、「維持費」も相当な覚悟が必要です。
まず税金ですが、搭載されている5.6L V8エンジンは、当然ながら日本の自動車税区分では最高クラスとなり、毎年の自動車税は高額になります(1ナンバー登録の場合は異なる)。
また、車両重量も重いため、車検時の自動車重量税も高くなります。
次に燃料代です。
大排気量V8エンジンと重い車重のため、燃費性能は非常に悪く、リッターあたり数キロメートル台となることが予想されます。
近年の燃料費高騰も相まって、年間の燃料代はかなりの負担となるでしょう。
車検についても、注意が必要です。
逆輸入車は、日本の保安基準に適合するように、ヘッドライトの光軸調整や、サイドマーカーの取り付け、排ガス対策などが必要となる場合があります。
車検ごとに、これらの基準を満たしているかのチェックと、場合によっては整備が必要となり、通常の国産車よりも車検費用が高くなる可能性があります。
そして、任意保険です。
逆輸入車は、型式認定を受けていないなどの理由から、保険会社によっては任意保険(特に車両保険)の加入を断られたり、加入できたとしても保険料が非常に高額になったりするケースがあります。
盗難リスクも考慮すると、車両保険に入れない、あるいは入れないというのは大きな不安要素となります。
これらの税金、燃料代、車検費用、保険料、そして後述するメンテナンス費用などを合計すると、ランクル70以上に、年間維持費は非常に高額になることを覚悟しなければなりません。
最大の難関? 整備・メンテナンスと部品調達の問題
- 国内に正規導入されていないため、整備できる工場が限られる
- 部品も国内では入手困難で、海外からの取り寄せに時間と費用がかかる
- 故障した場合、修理が長期化したり、高額になったりするリスク
逆輸入車を所有する上で、おそらく最大の難関となるのが、「整備・メンテナンス」と「部品調達」の問題です。
日産パトロールは、日本では正規販売されていないため、当然ながら一般的な日産ディーラーでは、整備や修理を断られてしまう可能性が高いです。
ディーラーには、国内未発売モデルに関する整備マニュアルや、専用の診断機器、特殊工具などが用意されていないため、対応が難しいのです。
そのため、パトロールの整備や修理は、逆輸入車を専門に扱っている整備工場や、あるいは並行輸入車に詳しい一部の整備工場などに依頼することになります。
しかし、そのような工場は限られており、お住まいの地域によっては、見つけるのが難しいかもしれません。
さらに深刻なのが、「部品調達」の問題です。
消耗品(オイルフィルター、ブレーキパッドなど)の中には、国内の他の日産車と共通のものが使える場合もありますが、多くの部品はパトロール専用品であり、国内では手に入りません。
そのため、部品交換が必要になった場合は、海外(例えば中東や北米など)から取り寄せる必要があります。
これには、長い時間(数週間~数ヶ月)と、高額な輸送費がかかります。
万が一、エンジンやトランスミッションといった主要部品や、ボディパネルなどが損傷した場合、部品の入手自体が非常に困難になったり、修理費用が莫大な金額になったりするリスクがあります。
この整備・メンテナンス体制の不安と、部品調達の難しさは、逆輸入車オーナーが常に抱える大きな悩みであり、パトロールを維持していく上での最大のハードルと言えるでしょう。相応の覚悟と、信頼できる整備工場との連携が不可欠です。
保証は期待できない? 逆輸入車のリスクと注意点
- メーカー保証(新車保証)は、基本的に日本国内では適用されない
- 販売店独自の保証が付く場合もあるが、内容は限定的
- 故障時の修理費用は、原則として自己負担となる覚悟が必要
通常、新車で購入した車には、メーカーによる保証(新車保証)が付帯しており、一定期間内(例えば3年間または5年間など)に発生した不具合については、無償で修理を受けることができます。
しかし、逆輸入車である日産パトロールの場合、このメーカー保証は基本的に期待できません。
メーカー保証は、その国や地域で正規に販売された車両に対して適用されるのが原則であり、海外で購入し、日本に持ち込んだ逆輸入車については、保証の対象外となるのが一般的です。
つまり、たとえ新車のパトロールを逆輸入したとしても、日本国内の日産ディーラーで新車保証を受けることはできない、と考えた方が良いでしょう。
では、購入した販売店による保証はどうでしょうか?
一部の逆輸入車専門店では、独自の保証プランを用意している場合があります。
しかし、その保証期間や保証範囲(対象となる部品や修理内容)は、メーカー保証と比較してかなり限定的であることが多いです。
エンジンやミッションなどの主要部品のみが対象で、期間も短い(例えば半年や1年など)、といったケースが考えられます。
保証が付かない「現状販売」に近い形での販売となることも少なくありません。
したがって、逆輸入のパトロールを購入するということは、基本的に「保証なし」の状態、あるいは非常に限定的な保証しかない状態で乗る、というリスクを受け入れる必要がある、ということです。
万が一、購入後に大きな故障が発生した場合、その修理費用は原則として全額自己負担となります。
この「保証がない」という点も、逆輸入車を選ぶ上で、必ず理解しておかなければならない重要な注意点であり、大きなリスクの一つなのです。
まとめ:日産パトロール逆輸入はロマン? それとも…
- 日産パトロールは、日本では正規販売されていない魅力的な大型SUV。入手は逆輸入のみ。
- 圧倒的な存在感、パワフルなV8エンジン、豪華な内装、高い走破性が魅力。
- 逆輸入には、高額な車両価格と輸入諸経費、長い納期が必要。
- 維持費も高額(税金、燃費、保険、車検、整備費)。
- 最大の難関は、整備・メンテナンス体制の確保と、部品調達の難しさ。
- メーカー保証は基本的に適用されず、故障リスクは自己責任となる覚悟が必要。
- NISMOバージョンなどの特別なモデルも存在するが、さらに入手・維持は困難。
- 逆輸入車の購入は、信頼できる専門店選びが非常に重要。
- パトロールの逆輸入は、単なる移動手段ではなく、大きなロマンを伴う趣味性の高い選択。
- しかし、その裏にある多くのリスクと困難を十分に理解し、乗り越える覚悟がなければ実現は難しい。
- 憧れだけで安易に手を出すべきではなく、経済力、知識、情熱、そして運が必要となる。
こんにちは、「無い物ねだり」が大好きな運営者です!今回も、日本で売ってない車、「日産パトロール」の逆輸入という、マニアックでロマンあふれるテーマの記事を最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!
パトロール、カッコいいですよねぇ!あのデカさ、あの威圧感、そしてV8エンジン!まさに「キング・オブ・SUV」って感じがします。日本で正規販売してくれたら、絶対に人気出ると思うんですけどねぇ…(まあ、色々事情があるんでしょうけど)。
だから、「逆輸入してでも乗りたい!」って思う人の気持ち、すごくよく分かります。他の誰も乗っていないような特別な車で、日本の道を走る…想像しただけでワクワクしますよね!まさに究極の自己満足、最高のロマンだと思います。
でも、この記事を書いていて痛感したのは、そのロマンを実現するためには、相当な「覚悟」が必要だということです。お金がかかるのはもちろんのこと、整備してくれるお店を探したり、部品がなくて途方に暮れたり、保証がなくて不安になったり…。並大抵の苦労では済まないかもしれません。
正直、「憧れだけで手を出すのは、かなり危険だな」と思いました。本当にパトロールが好きで、車の知識もあって、信頼できる整備工場とのコネクションもあって、そして何より、どんなトラブルが起きても「まあ、これも逆輸入車の醍醐味さ!」って笑って乗り越えられるくらいの、深い愛情と経済的な余裕がないと、維持していくのは難しいのかもしれません。
もしあなたが、それでも「俺は(私は)パトロールに乗りたいんだ!」という熱い情熱を持っているなら、ぜひその夢を追いかけてください!簡単ではない道のりだと思いますが、それを乗り越えて手に入れた時の喜びは、きっと何物にも代えがたいはずです。
この記事が、そんなあなたの挑戦への、ほんの少しでも参考になったなら嬉しいです。頑張ってください!応援しています!