最高級の素材、熟練した職人技による手作業、そしてパワフルなエンジンが生み出す圧倒的なパフォーマンス。「ベントレー(Bentley)」は、ロールス・ロイスと並び称される、世界最高峰のラグジュアリーカーブランドの一つです。
コンチネンタルGTやフライングスパー、そしてSUVのベンテイガなど、そのモデルラインナップは、世界中の富裕層や王侯貴族、セレブリティから絶大な支持を集めています。その独特の存在感と、数千万円からという価格帯から、特別なブランドであることは多くの人が知るところでしょう。
しかし、「ベントレーって、どこの国のメーカーなの?」と聞かれると、意外と正確に答えられない方もいるかもしれません。あるいは、イギリスのブランドというイメージはあるけれど、現在はドイツのメーカーの傘下にある、といった話を耳にしたことがあるかもしれませんね。
「ベントレー どこの国」と検索してたどり着いたあなたに、まず答えをお伝えします。ベントレーは、もともと「イギリス(英国)」で生まれた自動車メーカーです。現在も、その本社と主要な生産拠点はイギリスのクルー(Crewe)に置かれています。
ただし、少し複雑なのは、現在のベントレー モーターズ社は、ドイツの巨大自動車メーカーである「フォルクスワーゲングループ」の傘下にある、ということです。
このページでは、ベントレーがどこの国のブランドであるかという基本的な情報はもちろんのこと、その波乱に満ちた歴史、ライバルであったロールス・ロイスとの関係、そしてフォルクスワーゲングループの一員となった経緯と現状について、詳しく解説していきます。
さらに、ベントレーならではの魅力や代表的な車種、そして日本での展開についてもご紹介します。
この記事を読めば、ベントレーという特別なブランドへの理解が深まり、その背景にある物語を知ることで、より一層その魅力に引き込まれるはずです。
- ベントレーはイギリス(英国)発祥の高級車ブランド
- 現在はドイツのフォルクスワーゲングループ傘下にある
- ロールス・ロイスとの深い歴史的な関係性を持つ
- 代表的なモデルやブランドの魅力、日本での展開について
ベントレーのルーツと変遷:英国から世界へ、そしてVWグループへ
- ベントレーはどこの国のブランド?答えは『イギリス(英国)』です!
- ベントレー誕生の歴史!レースへの情熱が生んだ高級スポーツカー
- 栄光と苦難!ロールス・ロイス傘下時代のベントレー
- フォルクスワーゲングループの一員へ!買収の経緯とその影響
- 英国魂は健在?ドイツ資本下でのベントレーの現在
- ベントレーはどこで作られている?英国クルー工場の伝統
- ベントレージャパンの役割と日本での展開
ベントレーはどこの国のブランド?答えは『イギリス(英国)』です!
- ベントレー・モーターズ(Bentley Motors Limited)は、イギリス(英国)の高級車メーカー
- 1919年にウォルター・オーウェン・ベントレーによって設立された
- 現在はドイツのフォルクスワーゲングループに属するが、本社と主要工場は英国にある
世界に名だたる高級車ブランド、ベントレー。
その重厚かつエレガントな佇まい、そして圧倒的なパフォーマンスは、多くの人々を魅了してやみません。
では、この特別なブランドは、一体「どこの国」で生まれたのでしょうか?
その答えは、「イギリス(英国)」です。
ベントレーは、1919年に、ウォルター・オーウェン・ベントレー(Walter Owen Bentley、通称W.O.)によって、ロンドンで設立された自動車メーカー「ベントレー・モーターズ(Bentley Motors Limited)」をその起源としています。
設立当初から、高性能で高品質、そして耐久性に優れたスポーツカーを製造することを目指していました。
+4>特に、1920年代にはル・マン24時間レースで5度の優勝を飾るなど、モータースポーツの世界で大活躍し、ベントレーの名声を一気に高めました。
このレース活動を通じて培われた技術と、「速く、優れたクラスのクルマを作る」というW.O.ベントレーの哲学は、今日のベントレーにも脈々と受け継がれています。
その後、経営難など紆余曲折を経て、長らく同じイギリスの高級車メーカーであるロールス・ロイスの傘下に入っていました。
そして、1998年には、ドイツのフォルクスワーゲングループによって買収され、現在はその一員となっています。
このように聞くと、「じゃあ、今のベントレーはドイツのクルマなの?」と思うかもしれません。
確かに、経営的な親会社はドイツのフォルクスワーゲンです。
フォルクスワーゲングループの持つ豊富な資金力や、アウディやポルシェといったグループ内ブランドとの技術共有は、現代のベントレーのクルマづくりに大きな影響を与えています。
+4>しかし、ベントレーの「魂」とも言える部分は、依然として英国にあります。
ベントレーの本社と主要な生産工場は、現在もイギリス中部のチェシャー州クルー(Crewe)に置かれています。
そこでは、熟練した職人たちが、伝統的な手作業と最新技術を融合させながら、一台一台丁寧にベントレーの車両を製造しています。
レザーシートの縫製やウッドパネルの加工など、多くの工程がハンドメイドで行われており、英国のクラフトマンシップが息づいています。
+4>デザインにおいても、英国車ならではのエレガンスや気品が、現代的な解釈とともに表現されています。
したがって、「ベントレーはどこの国のブランドか?」という問いに対しては、「イギリス(英国)発祥のブランドであり、現在もその本社と生産拠点を英国に置いているが、経営的にはドイツのフォルクスワーゲングループに属している」というのが、最も正確な答えとなります。
英国の伝統と誇りを持ちながら、ドイツの技術力や資本力も取り入れて進化を続ける、それが現代のベントレーなのです。
ベントレー誕生の歴史!レースへの情熱が生んだ高級スポーツカー
- 1919年、W.O.ベントレーがロンドンでベントレー・モーターズを設立
- 当初から高性能・高品質なスポーツカー開発を目指す
- 1920年代のル・マン24時間レースでの活躍(5度の優勝)で名声を確立
ベントレーというブランドが、どのようにして生まれ、発展してきたのか。
その歴史を知ることは、ベントレーのクルマが持つ独特の個性や価値を理解する上で、非常に重要です。
ベントレーの物語は、一人の情熱的なエンジニアの夢から始まりました。
創業者であるウォルター・オーウェン・ベントレー(W.O. Bentley)は、もともと鉄道技師としてキャリアをスタートさせましたが、次第に自動車、特に高性能なエンジンに魅了されていきます。
第一次世界大戦中には、航空機用ロータリーエンジンの設計で大きな成功を収め、その技術力は高く評価されていました。
そして終戦後の1919年、W.O.は自身の理想とするクルマを作るため、ロンドンで「ベントレー・モーターズ」を設立します。
彼の目標は明確でした。
「速いクルマ、良いクルマ、クラス最高のクルマ (a fast car, a good car, the best in its class.)」を作ること。
すなわち、単に速いだけでなく、高品質で耐久性にも優れた、最高級のスポーツカーを生み出すことでした。
最初に開発されたモデル「3リッター」は、1921年に発表されました。
当時としては先進的なOHC(オーバーヘッドカムシャフト)4バルブエンジンを搭載し、高い性能と信頼性を両立していました。
そして、ベントレーの名声を一躍高めたのが、モータースポーツ、特にフランスで開催される「ル・マン24時間耐久レース」での活躍です。
+4>ベントレーは、1924年に初優勝を飾ると、1927年から1930年にかけては怒涛の4連覇を達成します。
過酷な24時間のレースを戦い抜き、勝利を重ねたことで、ベントレーのクルマの持つスピード、パワー、そして何よりも「耐久性」が世界中に証明されたのです。
この時代のベントレーを駆って活躍したドライバーたちは、「ベントレー・ボーイズ(Bentley Boys)」と呼ばれ、その勇敢な走りは伝説となりました。
ティム・バーキンなどのスタードライバーが駆る、大型でパワフルなベントレー(「ブロワー・ベントレー」などが有名)が、ブガッティなどのライバルと激しいバトルを繰り広げる姿は、多くの人々を熱狂させました。
+4>レースでの成功は、ベントレーのブランドイメージを確立し、高性能な高級スポーツカーとしての地位を不動のものとしました。
しかし、W.O.ベントレーの妥協を許さないクルマづくりと、レース活動への莫大な投資は、会社の経営を圧迫していきます。
高品質で高性能なクルマを作るためには、どうしてもコストがかかり、販売価格も高額にならざるを得ませんでした。
そして、1929年の世界大恐慌が追い打ちとなり、ベントレー・モーターズは経営危機に陥ってしまいます。
+4>レースでの栄光とは裏腹に、会社経営は困難を極め、ベントレーは新たな道を模索せざるを得なくなるのです。
レースへの情熱から生まれ、その頂点を極めたベントレーですが、その栄光の影には、常に経営という現実的な課題が付きまとっていました。
この初期の歴史が、ベントレーというブランドのDNAに、高性能と耐久性へのこだわりを深く刻み込むことになったのです。
栄光と苦難!ロールス・ロイス傘下時代のベントレー
- 1931年、経営難によりライバルであったロールス・ロイスに買収される
- 以降、長期間にわたりロールス・ロイスの姉妹ブランドとして存続
- 独自性は薄れ「バッジエンジニアリング」の時代もあったが、スポーツ性は保持
1920年代にル・マンで栄光を掴んだベントレーでしたが、その後の世界恐慌の影響を受け、1931年、ついに経営破綻に追い込まれてしまいます。
そして、この時ベントレーを救済する形で買収に乗り出したのが、皮肉なことに、同じイギリスの高級車メーカーであり、最大のライバルと目されていた「ロールス・ロイス」でした。
これ以降、ベントレーは、実に70年近くもの長きにわたり、ロールス・ロイスの傘下でその歴史を歩むことになります。
このロールス・ロイス時代は、ベントレーにとって、安定を得た一方で、独自の個性を模索する苦難の時代でもありました。
買収当初、ロールス・ロイスはベントレーブランドを廃止することも検討したと言われています。
しかし、ベントレーが持つスポーティなブランドイメージと、モータースポーツでの輝かしい実績を惜しみ、最終的にはブランドを存続させることを決定しました。
ただし、その位置づけは、ロールス・ロイスの姉妹ブランド、あるいは「サイレント・スポーツカー」と呼ばれるような、ロールス・ロイスよりもややスポーティな性格を持つモデル、というものになりました。
+4>創業者であるW.O.ベントレー自身は、この買収劇の後、ロールス・ロイス社を去っています。
ロールス・ロイス傘下で最初に生産されたベントレーは、「3?リッター」(後に4?リッターへと発展)と呼ばれるモデルでした。
これは、ロールス・ロイス 20/25HPをベースに、より高性能なエンジンを搭載したもので、「ダービー・ベントレー」とも呼ばれ、その優れた性能と洗練性で評価されました。
しかし、第二次世界大戦後、両ブランドの生産拠点がイギリスのクルー工場に統合されると、ベントレーの独自性は徐々に薄れていきます。
特に1950年代以降、ベントレーのモデルは、ロールス・ロイスの同クラスモデルと、エンブレムやフロントグリル、一部の仕様が異なるだけで、基本構造やボディパネルを共有する、いわゆる「バッジエンジニアリング」モデルが主流となっていきました。
例えば、ベントレー Sシリーズはロールス・ロイス シルヴァークラウドと、ベントレー Tシリーズはロールス・ロイス シルヴァーシャドウと、それぞれ姉妹車の関係にありました。
+4>この時代、「ベントレーはグリルの違うロールス・ロイスだ」と揶揄されることもあり、ブランドのアイデンティティが揺らぐ時期でした。
しかし、それでもベントレーは、ロールス・ロイスよりもわずかにスポーティなチューニングが施されるなど、その出自である「スポーツ性」を完全には失ってはいませんでした。
そして1980年代に入ると、ターボチャージャーを搭載した高性能モデル「ミュルザンヌ・ターボ」や「ターボR」が登場し、ベントレーは再びパワフルでスポーティなブランドとしての個性を強めていきます。
+4>この高性能モデルの成功が、後のブランド復活への布石となりました。
ロールス・ロイス傘下時代は、ベントレーにとって、ブランドの存続と引き換えに、その独自性を模索し続けた、まさに栄光と苦難の時代だったと言えるでしょう。
この長い雌伏の期間があったからこそ、後のフォルクスワーゲングループ下での華々しい復活へと繋がっていくのです。
フォルクスワーゲングループの一員へ!買収の経緯とその影響
- 1998年、ロールス・ロイス/ベントレーはBMWとフォルクスワーゲンによる買収合戦の対象に
- 最終的にベントレーブランドはフォルクスワーゲングループが獲得
- VWグループの豊富な資金力と技術力が、ベントレーの復活と発展を後押し
1990年代後半、長らく続いたロールス・ロイスとベントレーの関係に、大きな転機が訪れます。
当時、親会社であったヴィッカース社が、ロールス・ロイス/ベントレーの自動車部門の売却を決定したのです。
これに対し、ドイツの二大自動車メーカーであるBMWとフォルクスワーゲン(VW)が、買収に名乗りを上げ、激しい争奪戦が繰り広げられました。
この複雑な買収劇の結果、最終的にベントレーブランドはフォルクスワーゲングループの傘下に入ることになりました。
この出来事は、ベントレーの歴史における新たな章の始まりであり、その後のブランドの方向性に決定的な影響を与えることになります。
買収合戦の経緯は非常に複雑でした。
当初、BMWは長年ロールス・ロイス/ベントレーにエンジンを供給していた関係から、最有力候補と見られていました。
しかし、最終的にヴィッカース社が提示した買収額で上回ったのはフォルクスワーゲンでした。
ところが、ここで問題が発生します。
ロールス・ロイスの「ブランド名」と「ロゴ(RRマーク)」の使用権は、自動車部門ではなく、航空機エンジンなどを製造するロールス・ロイス・ホールディングスが所有しており、同社はBMWとの関係が深かったため、VWへの使用権許諾を拒否したのです。
+4>その結果、フォルクスワーゲンは、ベントレーブランドと、生産拠点である英国クルー工場は手に入れたものの、最も価値のある「ロールス・ロイス」のブランド名はBMWに渡る、という捻じれた状況が生まれました。
(その後、BMWはロールス・ロイスの新たな生産拠点を英国グッドウッドに建設し、VWはベントレーに集中する体制となります)。
こうして1998年、ベントレーはフォルクスワーゲングループの一員となりました。
当初は、ドイツ企業による英国伝統ブランドの買収に対して、懸念の声も聞かれました。
しかし、結果的にこの買収は、ベントレーにとって大きなプラスとなりました。
フォルクスワーゲングループは、その豊富な資金力と、グループ内に持つアウディやポルシェなどの先進技術を、ベントレーの新型車開発に惜しみなく投入しました。
+4>特に、2003年に登場した「コンチネンタルGT」は、VWグループの技術(プラットフォームやW12エンジンなど)を活用しつつ、ベントレーならではの豪華さとパフォーマンスを融合させた、全く新しいコンセプトのクーペとして開発され、世界的な大ヒットを記録します。
このコンチネンタルGTの成功により、ベントレーはロールス・ロイスの影から完全に脱却し、独自のブランドイメージと顧客層を確立することに成功しました。
その後も、4ドアセダンの「フライングスパー」や、SUVの「ベンテイガ」といったニューモデルを次々と投入し、ラインナップを拡充。
販売台数も飛躍的に増加し、ベントレーはかつてないほどの成功を収めることになります。
+4>フォルクスワーゲングループの傘下に入ったことは、ベントレーにとって、伝統を守りつつも、現代的なブランドとして大きく飛躍するための、重要な転換点となったのです。
経営的な安定と、技術的な進化を手に入れたことで、ベントレーは超高級車市場における確固たる地位を築き上げました。
ドイツの資本と技術が、英国の伝統とクラフトマンシップを、新たな高みへと導いたと言えるでしょう。
英国魂は健在?ドイツ資本下でのベントレーの現在
- フォルクスワーゲングループの技術やプラットフォームを活用しつつ、開発・生産は英国クルーが中心
- ベントレーならではのデザイン、クラフトマンシップ、ブランドイメージは維持
- 電動化など、グループの先進技術を取り入れながら進化を続けている
フォルクスワーゲングループというドイツの巨大資本の傘下に入ったベントレー。
これにより、ベントレーは経営的な安定と技術的な進化を手に入れ、大きな成功を収めました。
しかし、一方で、「ドイツ資本の影響で、ベントレーならではの英国らしさが失われてしまったのではないか?」と心配する声も、一部のファンからは聞かれます。
果たして、現代のベントレーに「英国魂」は健在なのでしょうか?
ドイツ資本下でのベントレーの現在について見ていきましょう。
結論から言うと、現代のベントレーは、フォルクスワーゲングループのリソースを最大限に活用しながらも、英国ブランドとしてのアイデンティティと伝統を、巧みに維持・進化させていると言えます。
確かに、プラットフォームやエンジン、トランスミッション、電子制御システムなど、多くの基幹部品は、アウディやポルシェといったグループ内の他ブランドと共有されています。
+4>これにより、開発コストの削減や、最新技術の導入が容易になり、製品としての完成度や信頼性は飛躍的に向上しました。
例えば、コンチネンタルGTやフライングスパーはポルシェ パナメーラと、ベンテイガはアウディ Q7/Q8やポルシェ カイエン、ランボルギーニ ウルスなどと、プラットフォームを共有しています。
エンジンも、W12エンジンやV8ツインターボエンジンなど、グループ内で開発されたものが搭載されています。
しかし、重要なのは、これらの共有コンポーネントを使いながらも、最終的な「味付け」や「仕立て」は、ベントレー独自で行われているという点です。
車両の開発やデザインは、依然として英国クルーにあるベントレー本社が中心となって行われています。
エクステリアデザインは、ベントレー伝統のフロントグリルや、力強くもエレガントなボディラインなど、一目でベントレーと分かる特徴を維持しています。
+4>インテリアに至っては、まさに英国のクラフトマンシップの真骨頂です。
最高級のレザーやウッドパネルをふんだんに使い、熟練した職人が手作業でステッチを施し、細部に至るまで meticulous に仕上げられた空間は、他のどのブランドにも真似できない、ベントレーならではの世界観を醸し出しています。
走行性能についても、共有プラットフォームを使いながら、サスペンションのセッティングや、エンジン、トランスミッションの制御などを独自にチューニングすることで、パワフルでありながらも重厚で快適な、ベントレーらしい乗り味を実現しています。
これは、単なるバッジエンジニアリングとは全く異なる、ベントレー独自のエンジニアリングの成果です。
+4>また、ベントレーは近年、電動化にも積極的に取り組んでおり、プラグインハイブリッドモデルをラインナップに加えています。
これも、フォルクスワーゲングループ全体の電動化戦略と連携しながら、ベントレーとしてのラグジュアリーとパフォーマンスを両立させる形で進められています。
確かに、かつてのロールス・ロイス傘下時代のように、エンジンまで全て自社開発していた頃とは異なります。
しかし、現代のベントレーは、ドイツの技術力という強力な武器を手に入れながらも、デザイン、クラフトマンシップ、そしてブランドの根幹にある「英国らしさ」を失うことなく、むしろ新たな形で発展させていると言えるでしょう。
英国魂は、形を変えながらも、現代のベントレーの中に確かに息づいているのです。
ベントレーはどこで作られている?英国クルー工場の伝統
- ベントレーの主要な生産拠点は、英国チェシャー州クルーにある工場
- 第二次世界大戦中に航空機エンジン工場として建設され、戦後ベントレー/ロールス・ロイスの拠点に
- 現在も多くの工程で熟練した職人による手作業が行われている
ベントレーのクルマが持つ、独特のオーラと圧倒的な品質。
それは、一体どこで、どのようにして生み出されているのでしょうか?
ベントレーのクルマづくりを理解する上で欠かせないのが、その主要な生産拠点である、イギリス・チェシャー州にある「クルー(Crewe)工場」の存在です。
この工場は、単なる生産施設ではなく、ベントレーの歴史と伝統、そしてクラフトマンシップが息づく、ブランドの心臓部とも言える場所なのです。
クルー工場の歴史は、第二次世界大戦中にまで遡ります。
当初、航空機用のマーリン・エンジン(スピットファイア戦闘機などに搭載された名機)を生産するために建設されました。
そして戦後、ロールス・ロイスとベントレーの自動車生産が、それまでのダービー工場から、このクルー工場へと移管されました。
以来、クルー工場は、数十年にわたって両ブランドの最高級車を生産し続け、英国の自動車産業における重要な拠点としての役割を果たしてきました。
+4>1998年のフォルクスワーゲングループによる買収後も、ベントレーの生産はこのクルー工場で継続されており、現在もベントレーの全てのモデルがここで生産されています(一部例外や工程を除く)。
クルー工場の最大の特徴は、最新の生産技術と、英国の伝統的なクラフトマンシップ(職人技)が見事に融合している点です。
ボディの組み立てや塗装といった工程では、最新のロボット技術なども導入されていますが、その一方で、インテリアの多くの部分は、今なお熟練した職人たちの手作業によって作り上げられています。
例えば、シートに使われる最高級のレザーは、専門の職人が厳選し、一枚一枚手作業で裁断・縫製されます。
美しいステッチや刺繍なども、手作業ならではの温かみと精度で施されます。
+4>ダッシュボードやドアトリムを飾るウッドパネル(ウッドベニア)も、希少な木材の中から選び抜かれた原木を、職人が薄くスライスし、左右対称になるように木目を合わせ(ブックマッチング)、研磨と塗装を繰り返して、深みのある光沢と美しい模様を生み出しています。
一つのウッドパネルセットを作り上げるのに、何週間もかかることもあると言われています。
これらの手作業による工程は、非常に時間と手間がかかりますが、ベントレーならではの極めて高い品質と、オーダーメイドのような特別感を生み出すためには不可欠なものです。
クルー工場では、レザー職人、ウッド職人、縫製職人など、様々な分野の専門家たちが、長年培ってきた技術と経験を活かし、まさに「工芸品」とも呼べるようなクルマを作り上げています。
+4>フォルクスワーゲングループによる投資によって、工場の設備は近代化され、生産効率も向上していますが、この「クラフトマンシップ」を重視する姿勢は、今も変わることなく受け継がれています。
ベントレーのクルマに触れたときに感じる、独特の重厚感や上質感、そして温もりは、この英国クルー工場の伝統と、そこで働く職人たちの情熱によって生み出されているのです。
ベントレーを選ぶということは、単にクルマを手に入れるだけでなく、この英国のクラフトマンシップの結晶を所有する、ということでもあるのです。
ベントレージャパンの役割と日本での展開
- ベントレーモーターズジャパンが、日本における正規輸入・販売を担当
- 正規ディーラーネットワークを通じて、質の高いサービスを提供
- 限定モデルの導入や、顧客向けイベントなども積極的に展開
日本にいながらにして、憧れのベントレーを購入し、安心して乗り続けることができるのは、日本におけるベントレーの正規輸入・販売元である「ベントレーモーターズジャパン」の存在があるからです。
彼らは、英国ベントレー本社と日本の顧客とを結ぶ重要な役割を担い、ブランド価値の向上と、顧客満足度の向上に努めています。
ベントレージャパンは、具体的にどのような活動を行っているのでしょうか?
ベントレーモーターズジャパンの主な役割は、ポルシェジャパンなど他の輸入車インポーターと同様に、多岐にわたります。
まず、英国のクルー工場で生産されたベントレーの車両を、日本の法規や市場ニーズに合わせて仕様変更し、輸入・卸売販売すること。
そして、全国に展開する「ベントレー正規ディーラー」のネットワークを構築し、その運営をサポートすることです。
+4>正規ディーラーは、車両の販売だけでなく、購入後の車検、点検、修理といったアフターサービスを提供する重要な拠点となります。
ベントレージャパンは、これらのディーラーに対して、整備技術のトレーニングや情報提供を行い、どこでも均一で質の高いサービスが受けられる体制を整えています。
また、日本市場向けのマーケティング活動も重要な役割です。
ウェブサイトやSNS、雑誌広告などを通じて、ベントレーブランドの魅力や最新モデルの情報を発信します。
富裕層をターゲットとした、高級感のあるブランドイメージを維持・向上させるための広報戦略も展開しています。
さらに、顧客向けの特別なイベント(新型車発表会、試乗会、オーナー限定のツーリングイベントなど)を企画・開催し、ベントレーの世界観を体験してもらう機会を提供したり、オーナー同士のコミュニティ形成を促進したりすることも、重要な活動の一つです。
日本市場独自の限定モデルや、特別なオプションパッケージなどを企画・導入することもあります。
+4>例えば、日本の伝統工芸を取り入れた内装仕様などが、過去に設定されたこともありました。
これは、日本の顧客の嗜好を理解し、それに応えようとする姿勢の表れと言えるでしょう。
アフターサービス面では、純正部品の安定供給体制の確保や、保証プログラムの運営もベントレージャパンが担っています。
万が一のリコールなどが発生した場合にも、迅速かつ適切に対応する体制を整えています。
+4>このように、ベントレージャパンは、車両の輸入・販売から、マーケティング、アフターサービスに至るまで、日本におけるベントレーブランドの活動全般を統括し、支えています。
超高級車ブランドであるベントレーにとって、顧客一人ひとりとの長期的な信頼関係を築き、最高のサービスを提供することは極めて重要です。
ベントレージャパンと正規ディーラーネットワークは、その実現のために日々努力を続けているのです。
もしベントレーに興味を持ったら、まずは正規ディーラーに問い合わせてみるのが、最も確実で安心な第一歩となるでしょう。
ベントレーの世界:ラインナップと比類なき魅力
- ベントレーの主力モデル!コンチネンタルGT/GTCの魅力
- 究極のラグジュアリーセダン フライングスパーの世界
- ラグジュアリーSUVの頂点 ベンテイガの特徴と評価
- 自分だけのベントレーを!ビスポーク部門マリナーとは
- 中古のベントレーという選択肢!価格帯と注意点
- ロールス・ロイスとの違いは?英国高級車ブランド比較
- ベントレーオーナーになるということ!魅力とステータス
ベントレーの主力モデル!コンチネンタルGT/GTCの魅力
- VWグループ傘下で最初に大成功を収めた、現代ベントレーの象徴的モデル
- 流麗なクーペ(GT)と、エレガントなコンバーチブル(GTC)をラインナップ
- パワフルなW12/V8エンジンと、豪華な内装、快適な乗り心地を兼ね備える
現在のベントレーラインナップの中核を成し、ブランドイメージを牽引しているのが、「コンチネンタル(Continental)」シリーズです。
特に、2ドアクーペの「コンチネンタルGT」と、そのオープンモデルである「コンチネンタルGTC(コンバーチブル)」は、ベントレーの代名詞とも言える存在です。
2003年に初代モデルが登場して以来、世界中のセレブリティや富裕層から愛され続け、ベントレーの復活と成功を決定づけた、まさにブランドの象徴とも呼べるモデルです。
その魅力はどこにあるのでしょうか?
まず、目を引くのがその「エクステリアデザイン」です。
コンチネンタルGT/GTCは、ベントレー伝統のフロントグリルや丸目4灯ヘッドライトを受け継ぎながら、長く伸びやかなボンネット、流れるようなルーフライン(クーペの場合)、そして力強く張り出したリアフェンダーを持つ、非常にエレガントかつパワフルなスタイリングを特徴としています。
+4>特にサイドから見た時の、筋肉質でありながら優雅さを失わないシルエットは、他のどのクーペとも異なる、ベントレーならではの存在感を放っています。
GTCは、ソフトトップを開ければ極上の開放感を、閉じればクーペと遜色ない美しいフォルムを楽しめます。
インテリアも、ベントレーのクラフトマンシップが凝縮された、最高級の空間が広がっています。
ダッシュボードやドアトリムには、上質なレザーやウッドパネル、そして磨き上げられた金属パーツが惜しみなく使われ、まさに工芸品のような美しさを醸し出しています。
シートは、見た目の豪華さだけでなく、長時間のドライブでも疲れにくい、優れた快適性とサポート性を備えています。
+4>最新モデルでは、大型のローテーションディスプレイ(センターディスプレイが回転し、アナログメーターが現れる機構)など、先進的な装備も採用されています。
そして、コンチネンタルGT/GTCの真髄は、その「パフォーマンス」にあります。
エンジンは、ベントレーの象徴とも言えるパワフルな6.0L W12ツインターボエンジン(モデルにより異なる)や、より軽快でスポーティな4.0L V8ツインターボエンジンが搭載されます。
どちらのエンジンも、圧倒的なパワーとトルクを発揮し、0-100km/h加速は3秒台~4秒台、最高速度は300km/hを超えるという、スーパーカーに匹敵する性能を誇ります。
それでいて、低回転域では非常に静かでスムーズであり、日常的な走行も快適にこなします。
駆動方式は基本的に4WD(フルタイム四輪駆動)であり、電子制御エアサスペンションや、アクティブアンチロールバー(ベントレーダイナミックライド)なども装備され、+4>驚異的なパワーを確実に路面に伝えつつ、快適な乗り心地と、ワインディングロードでのスポーティなハンドリングを高次元で両立しています。
コンチネンタルGT/GTCは、「グランドツアラー(Grand Tourer)」の名前が示す通り、長距離を高速かつ快適に移動するためのクルマとして、究極の性能とラグジュアリーを兼ね備えています。
美しいデザイン、豪華な内装、圧倒的なパフォーマンス、そして快適な乗り心地。
これら全てを高次元で融合させたコンチネンタルGT/GTCは、まさに現代ベントレーを象徴するモデルであり、多くの人々を魅了し続ける理由がそこにあるのです。
究極のラグジュアリーセダン フライングスパーの世界
- コンチネンタルGTをベースにした、4ドアの超高級セダン
- ベントレーならではの圧倒的なパフォーマンスと、最高級の快適性を両立
- ショーファードリブンとしても、ドライバーズカーとしても楽しめる
ベントレーのラインナップの中で、コンチネンタルGT/GTCと並び、ブランドの中核を担うもう一つの重要なモデルが、4ドアセダンの「フライングスパー(Flying Spur)」です。
コンチネンタルGTのプラットフォームやパワートレインをベースとしながら、4ドア化によって後席の居住性と実用性を高めた、ベントレーが送る究極のラグジュアリーセダンです。
かつては「コンチネンタル・フライングスパー」と呼ばれていましたが、現行モデル(3代目)からは「フライングスパー」として独立したモデルラインとなっています。
その世界観は、どのようなものなのでしょうか?
フライングスパーは、一言で言えば「コンチネンタルGTのパフォーマンスとラグジュアリーを、4ドアセダンのパッケージで実現したモデル」です。
エクステリアデザインは、コンチネンタルGTと共通のフロントマスクを持ちながら、リアに向かって伸びやかでエレガントなセダンフォルムを描いています。
+4>全長は5.3mを超え、ホイールベースも長いため、堂々とした風格と、ゆとりある室内空間を予感させます。
格納式の「フライングB」マスコットがボンネット先端に輝くのも、フライングスパーならではの特徴です(オプションの場合あり)。
インテリアは、まさにベントレーの真骨頂。
コンチネンタルGTと同様に、最高級のレザー、ウッド、メタル素材が惜しみなく使用され、英国のクラフトマンシップによって、細部まで完璧に仕上げられています。
ダイヤモンドキルティングが施されたシートや、ローレット加工(滑り止めの凹凸加工)が施されたスイッチ類など、視覚的にも触覚的にも、極上の満足感を与えてくれます。
後席の快適性も、コンチネンタルGT(2+2シーター)とは比較にならないほど高められています。
+4>広々としたレッグスペースとヘッドクリアランス、そして独立したエアコンやエンターテインメントシステムなどが備わり、VIPをもてなすショーファードリブンカーとしても、十分にその役割を果たします。
搭載されるエンジンは、コンチネンタルGTと同様に、パワフルな6.0L W12ツインターボや、4.0L V8ツインターボ、そして近年では環境性能を高めたプラグインハイブリッド(V6エンジン+モーター)もラインナップされています。
どのパワートレインを選んでも、静かでスムーズ、かつ必要とあれば圧倒的な加速力を発揮します。
4WDシステムやエアサスペンション、そして4輪操舵システム(インテグレーテッド・アクティブ・ステアリング)なども装備され、+4>全長5.3mを超える大きなボディを感じさせない、俊敏なハンドリングと、優れた乗り心地、そして高い走行安定性を実現しています。
フライングスパーは、単に後席で寛ぐためのショーファーカーではありません。
ドライバー自身がステアリングを握っても、ベントレーならではの「駆けぬける歓び」を存分に味わうことができる、ドライバーズカーとしての側面も強く持っています。
究極のパフォーマンスと、最高級のラグジュアリー、そして4ドアセダンとしての実用性を、一つのパッケージに融合させたフライングスパー。
それは、ロールス・ロイス ゴーストやメルセデス・マイバッハ Sクラスといったライバルとはまた異なる、ベントレーならではの世界観を提供する、特別な存在なのです。
ラグジュアリーSUVの頂点 ベンテイガの特徴と評価
- ベントレー初のSUVモデルとして、ラグジュアリーSUV市場に新たな基準を打ち立てた
- 圧倒的なパワーと悪路走破性、そしてベントレーならではの豪華さを兼ね備える
- 価格は非常に高価だが、世界中の富裕層から高い人気を得ている
ポルシェ カイエンの成功以降、多くのプレミアムブランドがSUV市場に参入しましたが、その中でも「究極のラグジュアリーSUV」として、頂点の一つに君臨するのがベントレー「ベンテイガ(Bentayga)」です。
2015年に登場したベンテイガは、ベントレーとしては初のSUVモデルであり、その登場は大きな注目を集めました。
SUVでありながら、ベントレーならではの圧倒的なパフォーマンス、比類なき豪華さ、そして優れたクラフトマンシップを融合させたこのモデルは、瞬く間に世界中の富裕層を虜にし、ラグジュアリーSUV市場に新たな基準を打ち立てました。
ベンテイガのデザインは、一目でベントレーと分かる特徴を備えています。
大型のマトリクスグリル、丸目4灯のLEDヘッドライト、そして力強く張り出したフェンダーライン(スーパーフォーミング製法によるシャープな造形)などが、紛れもないベントレーファミリーであることを主張します。
+4>SUVらしい堂々とした体躯を持ちながらも、細部のディテールはエレガントに仕上げられており、他のどのSUVとも異なる、独特の存在感を放っています。
インテリアは、まさにベントレーの真骨頂。
最高級のレザー、ウッドパネル、金属パーツが惜しみなく使用され、クルー工場の職人によって手作業で作り上げられた空間は、豪華絢爛そのものです。
シートは、快適性とサポート性を高いレベルで両立しており、長時間のドライブでも疲れを感じさせません。
後席も広々としており、オプションで独立2座のエグゼクティブシート仕様も選択可能です。
最新のインフォテインメントシステムや、高品質なオーディオシステムなども備わり、まさに走る最高級ラウンジと言えるでしょう。
搭載されるパワートレインも強力です。
6.0L W12ツインターボエンジン(Speedモデルなど)、4.0L V8ツインターボエンジン、そしてプラグインハイブリッド(V6エンジン+モーター)がラインナップされています。
+4>特にW12エンジン搭載モデルは、最高出力600psを超える圧倒的なパワーを発揮し、0-100km/h加速は4秒を切るという、スーパーカー並みの性能を誇ります。
V8モデルも十分にパワフルで、スポーティな走りを楽しめます。
ハイブリッドモデルは、環境性能と静粛性を高めています。
走行性能も、SUVとは思えないほど高いレベルにあります。
4WDシステムと電子制御エアサスペンション、そしてアクティブロールコントロールシステム「ベントレーダイナミックライド」などにより、オンロードではスポーツカーのような俊敏なハンドリングと安定性を、オフロードでは高い走破性を発揮します。
+4>様々なドライブモードを選択することで、路面状況や好みに合わせて最適な走りを楽しむことができます。
ベンテイガは、ベントレーが持つ全ての要素…すなわち、圧倒的なパフォーマンス、究極のラグジュアリー、そして伝統的なクラフトマンシップ…を、SUVというパッケージで見事に具現化したモデルです。
価格は新車で2000万円台後半からと非常に高価ですが、それに見合うだけの価値とステータスを提供してくれます。
ラグジュアリーSUVの頂点を求めるのであれば、ベンテイガは間違いなく、その最有力候補となるでしょう。
自分だけのベントレーを!ビスポーク部門マリナーとは
- ベントレーのパーソナライゼーション(オーダーメイド)を担当する特別な部門
- 内外装のカラー、素材、装備などを、顧客の要望に合わせて無限に近い組み合わせで製作可能
- 世界に一台だけの、究極にパーソナルなベントレーを手に入れることができる
ベントレーは、そのままでも十分に豪華で特別なクルマですが、さらに顧客一人ひとりの細かな要望に応え、世界に一台だけの、まさに「自分だけのベントレー」を作り上げるための特別な部門が存在します。
それが、ベントレーのビスポーク(オーダーメイド)部門である「マリナー(Mulliner)」です。
マリナーは、ベントレーのパーソナライゼーションを最高レベルで実現し、顧客の夢を形にする役割を担っています。
マリナーの歴史は、ベントレー本体よりもさらに古く、16世紀の馬具製造にまで遡ると言われています。
その後、コーチビルダー(自動車の車体を製作する業者)として名を馳せ、特にロールス・ロイスやベントレーといった高級車の、特別なボディや内装を手がけることで高い評価を得てきました。
1959年にはロールス・ロイス(当時ベントレーも傘下)に買収され、以降、両ブランドの特別なモデルやカスタマイズを担当する部門として活動してきました。
現在、マリナーはベントレーの一部門として、主に3つの領域で活動しています。
1. コーチビルディング(Coachbuilt):
+4>これは、マリナーの最も伝統的かつ特別な活動であり、顧客のためだけに、完全に新しいデザインのボディを持つ、ワンオフまたは極めて少数の限定モデルを製作するものです。
デザインスケッチの段階から顧客と密接に連携し、まさに夢のクルマをゼロから作り上げます。
その価格は数億円にも達すると言われ、選ばれた顧客のみが手にすることができる、究極のビスポークです。
近年では、「バカラル」などの限定モデルがこのコーチビルド部門から生み出されました。
2. クラシック(Classic):
ベントレーの輝かしい歴史を彩った過去の名車を、当時の技術と現代の知見を融合させて、細部に至るまで忠実に再現・復刻するプロジェクトです。
例えば、1929年のル・マンで活躍した伝説的な「ブロワー・ベントレー」を、限定で復刻生産したことなどが知られています。
これもまた、非常に特別な顧客に向けた、歴史的価値の高いモデルとなります。
3. コレクション(Collections):
これは、通常のベントレーのラインナップに対して、マリナーが厳選した特別な内外装の仕様や装備を提供するものです。
標準のオプションリストにはない、特別なボディカラーやレザーの色、ウッドパネルの種類、ステッチのパターン、専用デザインのホイールなどを選択することができます。
+4>また、ヘッドレストへの刺繍や、ドアシルプレートへの名前の刻印など、よりパーソナルなカスタマイズも可能です。
このコレクションを利用することで、通常のモデルをベースにしながらも、マリナーならではの上質さと個性を加えた、自分だけの特別なベントレーを仕立て上げることができます。
マリナーを通じてベントレーをオーダーするということは、単にクルマを選ぶという行為を超えて、自分自身の価値観や美意識を表現する、創造的なプロセスでもあります。
+4>もちろん、その対価として、時間も費用もかかりますが、それによって得られる満足感と、世界に一台しかないという特別感は、何物にも代えがたいものでしょう。
もしあなたがベントレーの購入を検討し、さらに究極の個性を求めるのであれば、マリナーという選択肢があることを覚えておくと良いでしょう。
正規ディーラーを通じて、マリナーの専門家と相談しながら、あなたの夢を形にすることができるかもしれません。
中古のベントレーという選択肢!価格帯と注意点
- 新車では数千万円するベントレーも、中古なら比較的手頃な価格で見つかることも
- コンチネンタルGTの初代などは、年式によっては1000万円以下も
- ただし、維持費や修理費は高額。車両状態の見極めと信頼できる販売店選びが重要
ベントレーは、新車では最低でも2000万円台後半からという、まさに雲の上の存在のような価格帯です。
しかし、「いつかはベントレーに乗りたい」という夢を諦めきれない方にとって、現実的な選択肢となり得るのが「中古車」です。
中古車市場には、様々な年式やモデルのベントレーが流通しており、探せば新車よりはるかに手頃な価格で、憧れのベントレーオーナーになるチャンスがあるかもしれません。
ただし、中古のベントレーには、価格的なメリットがある一方で、大きなリスクも伴います。
中古ベントレーの価格相場と、購入時の注意点について見ていきましょう。
【中古ベントレーの価格相場の目安(モデル・年式により大きく変動)】
・コンチネンタルGT/GTC:初代モデル(2003年~2011年頃)は、中古車価格がかなりこなれてきており、+4>年式や走行距離によっては500万円前後から、場合によってはそれ以下の価格で見つかることもあります。
2代目(2011年~2018年頃)になると、1000万円前後の価格帯が中心となります。
現行(3代目)はまだ高値安定で、2000万円を超える個体がほとんどです。
・フライングスパー:初代(コンチネンタル・フライングスパー、~2013年頃)は、GTと同様に価格がこなれており、500万円前後から探せます。
2代目以降は1000万円を超える価格帯となります。
・ベンテイガ:比較的新しいモデルであるため、中古車でも高価です。
安くても1500万円以上、多くは2000万円を超える価格帯で取引されています。
・その他(アルナージ、ミュルザンヌなど):ロールス・ロイス傘下時代のモデルなどは、年式が古いものは価格が下がっていますが、希少性や状態によって価格は大きく変動します。
メンテナンス状態が重要になります。
このように、モデルや年式を選べば、数百万円台の予算からでもベントレーを手に入れることは可能です。
しかし、中古ベントレーを購入する際には、以下の点に細心の注意が必要です。
【中古ベントレー購入時の注意点】
・維持費・修理費の覚悟:+4>中古で安く買えても、維持費(税金、保険、燃料費)や、特にメンテナンス・修理費用はベントレー価格です。
国産車や一般的な輸入車とは比較にならないほど高額になることを覚悟しなければなりません。
購入後の維持費を賄える経済力があるか、慎重に判断する必要があります。
・車両状態の見極め:年式が古い、走行距離が多い車両は、故障リスクが高まります。
エンジン(特にW12)、トランスミッション、エアサスペンション、電装系などの状態を、専門家の目も借りながら徹底的にチェックする必要があります。
整備記録簿で過去のメンテナンス履歴を確認することも必須です。
・信頼できる販売店選び:ベントレーの販売・整備実績が豊富な専門店や、認定中古車(流通量は少ないですが)など、信頼できる販売店から購入することが重要です。
保証が付いているか、内容は十分かも必ず確認しましょう。
+4>安易に価格だけで飛びつくと、購入後に莫大な修理費用が発生し、「安物買いの銭失い」になるリスクが非常に高いのが中古スーパーカーです。
中古のベントレーは、確かに魅力的な選択肢ですが、購入には高いリスクが伴います。
そのリスクを十分に理解し、車両状態を慎重に見極め、購入後の維持費も計画に入れた上で、それでも乗りたいという強い意志と覚悟があるのであれば、検討する価値はあるでしょう。
しかし、少しでも不安があるなら、手を出さない方が賢明かもしれません。
ロールス・ロイスとの違いは?英国高級車ブランド比較
- ベントレーとロールス・ロイスは、かつて長期間にわたり姉妹ブランドだった
- 現在は別々のグループ(ベントレー:VW、ロールス・ロイス:BMW)に属する
- ベントレーはよりスポーティでドライバー志向、ロールス・ロイスは究極の快適性とショーファー志向
ベントレーとロールス・ロイス。
どちらもイギリス(英国)を代表する、世界最高峰の超高級車ブランドです。
かつては同じ会社の傘下にあり、姉妹車を生産していた時期も長かったため、両ブランドのイメージが重なる部分もあります。
しかし、現在はそれぞれ異なる親会社(ベントレーはフォルクスワーゲングループ、ロールス・ロイスはBMWグループ)のもとで、独自の道を歩んでいます。
では、現代において、ベントレーとロールス・ロイスには、どのような違いがあるのでしょうか?
両ブランドの個性と特徴を比較してみましょう。
まず、ブランドの根幹にある思想の違いです。
ベントレーは、その歴史の始まりからも分かるように、「高性能スポーツカー」としてのDNAを強く持っています。
+4>たとえそれが大型セダン(フライングスパー)やSUV(ベンテイガ)であっても、ドライバー自身が運転を楽しめる、「ドライバーズカー」としての側面を重視しています。
パワフルなエンジン、スポーティなハンドリング、そしてレースで培われた技術が、そのクルマづくりに反映されています。
一方、ロールス・ロイスは、「究極の快適性」と「静粛性」、そして「ショーファードリブン(後席に乗る人のための車)」としての性格を、より強く追求しています。
まるで魔法の絨毯のような滑らかな乗り心地、圧倒的な静粛性、そして後席乗員をもてなすための最高級の設えが、ロールス・ロイスの真骨頂です。
運転を楽しむことよりも、移動時間をいかに快適で特別なものにするか、という点に重きが置かれています。
デザインの方向性も異なります。
ベントレーは、力強く筋肉質でありながら、流麗さも兼ね備えた、スポーティでダイナミックなデザインを特徴としています。
一方、ロールス・ロイスは、パルテノン神殿をモチーフにしたとされる荘厳なフロントグリルや、コーチドア(観音開きのドア)など、威風堂々とした、よりクラシカルで威厳のあるデザインを採用しています。
+4>ベントレーが「高性能なアスリート」なら、ロールス・ロイスは「威厳ある王侯貴族」といったイメージでしょうか。
搭載されるエンジンにも違いが見られます。
ベントレーは、パワフルなW12ツインターボやV8ツインターボを主力としていますが、ロールス・ロイスは伝統的に、非常に滑らかで静粛性に優れたV型12気筒エンジンを採用してきました(近年は電動化も進んでいます)。
価格帯については、どちらも超高級車であり、数千万円からというのが基本ですが、一般的にロールス・ロイスの方が、ベントレーよりもさらに高価なモデルラインナップとなっています。
また、ロールス・ロイスは、ビスポーク(オーダーメイド)の自由度が非常に高いことでも知られています。
+4>かつては姉妹ブランドであった両社ですが、現在はそれぞれの親会社のもとで、明確な個性とブランド戦略を打ち出しています。
ベントレーは「世界最速のラグジュアリーカー」を目指し、スポーティさと豪華さを融合させています。
一方、ロールス・ロイスは「世界最高のクルマ」として、究極の快適性とステータス性を追求し続けています。
どちらが優れているということではなく、それぞれが異なる頂点を目指しているのです。
もし両ブランドを比較検討する機会があるなら、その思想や個性の違いを理解し、どちらが自分の価値観やライフスタイルにより深く響くか、という視点で選ぶことになるでしょう。
ベントレーオーナーになるということ!魅力とステータス
- ベントレーを所有することは、単なる移動手段ではなく、特別な体験とステータスを得ること
- 最高級の品質、圧倒的なパフォーマンス、そして周囲からの羨望が日常になる
- 経済的な負担だけでなく、社会的な責任や注目度も伴うことを理解する必要がある
ベントレーを所有するということは、単に高価なクルマを手に入れる、ということ以上の意味を持ちます。
それは、世界でも一握りの人々だけが享受できる、特別な体験とステータスを手に入れることであり、同時に、そのブランドが持つ歴史や価値観と深く関わることでもあります。
ベントレーオーナーになるということは、具体的にどのような魅力があり、また、どのような覚悟が必要なのでしょうか?
まず、最大の魅力は、やはり「比類なきラグジュアリー体験」です。
ベントレーの車内に足を踏み入れた瞬間から、最高級のレザーの香り、ウッドパネルの温もり、そして細部まで完璧に仕上げられたクラフトマンシップに包まれます。
走り出せば、圧倒的なパワーと静粛性、そして快適な乗り心地が、日常の移動を特別な時間へと変えてくれます。
+4>長距離ドライブも、まるでファーストクラスで旅をしているかのように、優雅で快適なものになるでしょう。
これは、他の多くのクルマでは決して味わうことのできない、ベントレーならではの体験です。
次に、「圧倒的なパフォーマンス」も大きな魅力です。
W12やV8ツインターボエンジンが生み出す、怒涛のような加速力と、高速域での驚異的な安定性は、ドライバーに絶対的な自信と、アドレナリンが湧き上がるような興奮を与えてくれます。
それでいて、そのパワーは常に洗練された形でコントロールされており、決して乗り手を不安にさせることはありません。
+4>パフォーマンスと快適性という、相反する要素を高次元で両立しているのが、ベントレーの凄さなのです。
そして、ベントレーを所有することに伴う「ステータス性」も無視できません。
ベントレーは、世界的に成功や富の象徴として認識されており、それを所有することは、オーナー自身の社会的地位や達成度を示すものとなります。
ホテルやレストランでの扱いや、ビジネスシーンにおける信頼感など、様々な場面で「ベントレーオーナー」であることの恩恵を感じる機会があるかもしれません。
周囲からの羨望の眼差しも、所有する喜びの一部となるでしょう。
しかし、ベントレーオーナーになるということは、魅力だけでなく、相応の「責任」や「覚悟」も伴います。
まず、前述の通り、購入費用だけでなく、維持費も極めて高額です。
経済的な負担は相当なものになることを覚悟しなければなりません。
また、その存在感ゆえに、どこへ行っても注目を集めます。
+4>プライバシーへの配慮や、周囲への気遣い、そして時には妬みや偏見の対象となる可能性も理解しておく必要があります。
運転マナーにも、より一層の注意が求められるでしょう。
さらに、盗難やいたずらのリスクも、他の車種より高くなる可能性があります。
車両の保管場所やセキュリティ対策にも気を配る必要があります。
ベントレーオーナーになるということは、単にお金があるだけでは務まりません。
その特別なクルマが持つ価値を理解し、経済的な負担を受け入れ、そして社会的な注目度や責任も自覚した上で、スマートに乗りこなす品格が求められるのかもしれません。
それら全てを理解し、受け入れた上で、それでもベントレーと共に過ごしたいと強く願うのであれば、きっと他では得られない、豊かで特別なカーライフが待っているはずです。
まとめ:ベントレーは英国が誇る至高のラグジュアリーブランド
- ベントレーは、1919年にイギリス(英国)で設立された高級車メーカー
- 当初は高性能スポーツカーを製造し、ル・マン24時間レースなどで活躍
- 長らくロールス・ロイス傘下にあったが、1998年以降はドイツのフォルクスワーゲングループに属する
- 本社と主要工場は現在も英国クルーにあり、英国の伝統とクラフトマンシップを継承
- VWグループの技術力を活用し、コンチネンタルGT、フライングスパー、ベンテイガなどのヒットモデルを生み出す
- ラインナップは、クーペ、コンバーチブル、セダン、SUVと多岐にわたる
- ビスポーク部門「マリナー」では、究極のパーソナライゼーションが可能
- 圧倒的なパフォーマンス、最高級の素材と仕上げ、そして快適な乗り心地が特徴
- 車両価格、維持費ともに極めて高額であり、所有するには高い経済力が必要
- 中古車も存在するが、価格は高値安定。購入には慎重な判断と覚悟が求められる
- ロールス・ロイスと比較すると、よりスポーティでドライバー志向な性格を持つ
- ベントレーを所有することは、特別な体験とステータスを得ることを意味する
こんにちは!一度はベントレーの助手席にでも乗ってみたい運営者です。今回は、「ベントレーはどこの国の車?」という疑問から始まる、英国が誇る超高級車ブランドの世界についての記事を、最後までお読みいただき、本当にありがとうございます!
ベントレー、その名前を聞くだけで、なんだか背筋が伸びるような、特別な響きがありますよね。イギリス生まれの気品と、レースで鍛えられた力強さ、そしてため息が出るほど美しい内外装…。まさに、クルマという存在を超えた、芸術品のようなオーラを放っています。
この記事では、ベントレーが英国で生まれ、ロールス・ロイスとの時代を経て、現在はドイツのVWグループの一員である、という少し複雑な背景について解説させていただきました。でも、たとえ親会社が変わっても、英国クルーの工場で職人さんたちが魂を込めて作り続けている限り、ベントレーの「英国魂」は失われていないんだな、と感じていただけたなら嬉しいです。
コンチネンタルGTの流麗さ、フライングスパーの威厳、ベンテイガの存在感…。どのモデルも、それぞれのカテゴリーで頂点を極めようという、ベントレーの強い意志を感じさせます。マリナーによる究極のオーダーメイドの世界なんて、想像するだけでワクワクしますよね(現実味は全くありませんが…笑)。
もちろん、その世界を享受するには、莫大な費用と、スーパーカーオーナーとしての覚悟が必要です。維持費のことを考えると、ちょっと気が遠くなってしまいますが、それでも人々を惹きつけてやまないのが、ベントレーというブランドの持つ魔力なのでしょう。
この記事を通して、あなたがベントレーというブランドについて、その歴史や背景、そして比類なき魅力について、少しでも理解を深めることができたなら、これほど嬉しいことはありません。
たとえ実際に所有することは難しくても、ベントレーのような素晴らしいクルマが存在することを知り、その世界に触れることは、きっと私たちのクルマに対する見方や価値観を豊かにしてくれるはずです。
いつか街でベントレーを見かけたら、その背景にある物語に思いを馳せてみてくださいね!